■ 神奈川新英研12月例会

2014年12月
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●近況,最近取り組んでいること

●授業でうまくいかないこと、悩んでいることなど

●神奈川新英研事務局への意見

●中学実践報告:「英語の魅力とわくわくを伝える授業」

廣橋智美さん (品川区立八潮学園中学校)

1. はじめに

2. めざす授業

《プロジェクト編》
ゲストハウス実践…英語を通してリアルに外国人と交流する環境を作りたい。
実践①:「オススメ日本食」紹介MAP
  • 生徒一人一人の「外国人旅行者に勧めたい日本食」紹介カードを日本地図に貼り、日本食ご当地マップを作りました。
  • 後日、ゲストハウスに掲示させてもらい、「食べたい」「食べたことがある」をシールで投票してもらいました。
  • 数ヶ月後、学校に持ち帰り、廊下に掲示。投票結果を発表したり、学校公開日には保護者にも投票してもらいました。
実践②:「行ってみたい国」BOOK
  • 行ってみたい国について調べて書いたカードを一冊の本にしました。多くの外国人に気軽に読んでもらえるよう、ゲストハウスのコモンスペースに置かせてもらいました。
  • 生徒が作ったカードの裏にメッセージを書いてもらったり、読んでくれた人にも自分の国や行ってみたい国を書いてもらいました。
  • 定期的に学校に持ち帰り、廊下に掲示したり、メッセージをもらっている生徒に知らせたりしています。
実践③: おにぎりパーティー at ゲストハウス
  • 春休みに希望者を募り、ゲストハウスを訪問。朝ご飯におにぎりをふるまい、好きな具をインタビューしたり、作り方を教えながら食事。その後、コモンスペースに展示してもらっている「オススメ日本食」マップを使い、おすすめの日本食を紹介したり、投票してもらったりと、フリートークで交流
実践④: 自分の好きな日本文化紹介
  • 外国の方々を学校に招き、生徒一人一人が自分の好きな「日本文化」を実物、または写真を見せながら紹介。外国人に4部門のMVPを選んでもらいました。
  • (英語部門・内容部門・コミュニケーション部門・紹介したもの部門)
《普段の授業編》
  1. 授業形態…普段は1クラス2展開の習熟度別少人数授業だが、プロジェクト活動や自己表現活動などをするときは合同で授業している。
  2. スタイル…学習プリントとノートを使用
    • 副教材はワーク(パートナー)と3年間の復習教材(3年間の総まとめ)
    • 予習は教科書本文の筆写と単語調べ(宿題)
    • 復習はワークの該当ページ
  3. 1時間の授業の流れ
    ①あいさつ
    ②単語テスト
    ③英語の歌&宿題チェック(スタンピング)
    文法
    ④導入
    ⑤基本文暗記
    ⑥演習
    ⑦コミュニケーション活動
    ⑧確認問題
    ⑨自己表現・発表
    ⑩宿題予告・あいさつ
       教科書
    ④導入
    ⑤本文聞き取り
    ⑥音読
    ⑦本文読み取り(Q&A, T/F)
    ⑧本文読み取り(ノートまとめ、訳)

3. 心がけていること

3. 生徒の感想   《その発信を子どもたちはどう受信したか編》

<参加者の感想>

●高校実践報告:
「学びはひとりでは成立しない ―生徒に協同感を持たせるための仕掛けづくり―」

倉本和晃さん(慶應義塾高等学校)

1. はじめに

2. イントロ

A. 家でできることと教室でできること
  • 授業では授業でしかできないことをやらせたい
  • 家でできることと教室でできることを明確に区別する
  • 教室は、家と異なり仲間がいて、対面型のコミュニケーションを行うことができる。
  • その特徴を生かした授業を行いたい
B. 求められる学習姿勢
  1. 就職したら誰かと一緒に仕事に取り組むことが求められる。その相手は気の合う人とは限らない。自分にも相手にも集団にとっても人とうまく付き合っていく力が必要で、早い段階で養っていくことが必要。(協同学習)
  2. 指導者が常に学習者のそばにいることはできない。そのような中、学習者はわからないところがあったとき、誰を頼りに?→仲間(学習共同体)
  3. 学びの責任は究極的には学習者にしか取れない(自律的学習)
C. 本発表の目的
  • 協同学習を通じて、学習共同体を形成し自律的学習につなげる

3. しかけづくり

A. コの字座席配置:ペア・グループワークのため
  • 生徒:隣の人がパートナー(プリント2p.)=ペアワークがしやすい
  • クラス生徒の顔が互いに見える → クラスとしての一体感を持たせることが可能
  • 教員:真ん中にいるとどの生徒ともつながれる、存在を認める感覚
  • 今、疑似コの字型を作っているこのスタイルは、協同学習ではおなじみ
B. ペア挙手制
  • 二人ペアで同時に手を挙げる、あたったらポイントというインセンティブ
  • 一人で挙手してもあてない、二人ペアで挙手し一人をあてる。
  • 発表したら二人に1ポイントずつ
目的は、
  • 二人の間に教えあう、助け合う関係性を築く
  • 発表する不安を減少させる(間違っても自分一人の責任ではないから)
  • 集中力が増す(パートナーに対する責任が生じるから)
  • 「点取り虫」と見られない(手を挙げるのはパートナー、ペアのためと言えるから)
  • より多くの生徒が参加(一人の生徒が答えても、二人の協力の結果だから)
    → 自発的姿勢を期待
C. 発話を引き出す質問
  • 質問について友だちと語り合いたくなるような、いい質問を心がける
  • 質問のタイプ 1)意見、2)経験、3)リサーチ
    例 先日の中間テストで出した問題
    Q: Rare job is a company offering English conversation courses through Skype. The course fee is very inexpensive and its tutors are Filipinos. Do you want to take this course? Why, or why not? Write your idea. (L11 "Future of English")
    生徒の答え
    A1: No. Because I think face-to face communication in language is more important than other methods.
    A2: I want to take this course. Because it is not expensive. And I think English is not always the language of USA or UK.

    Q: What do you think about speaking English with a Japanese accent? Does it sound cool/uncool? Why do you think so? (L11 "Future of English")
    A1: I think speaking English with a Japanese accent is uncool but good. Because the accent is a part of our identity. So, we should use it with full of confidence.
    A2: I think it is not good. If people in each countries speak different accent, they cannot understand what they are speaking. So, accent of English must become one accent.
  • 例会参加者との質疑応答
    Q: 発問の工夫は?
    A: Pro/Conにきっぱり分かれるような、人によって賛否が分かれるようなホット・トピックを取り入れる。多くの人が前提にしていることに対して異を唱えるようなことを思いつくようにする。教科書・本・ニュースを普段からネタ探し的に意識して読む。
    Q: むしろ僕は、問いは曖昧なほうがいいと思っています。こうも思うけど、こうも思える。賞味期限切れのスナックを食べるか食べないかみたいな質問。防災訓練で、神戸の震災以降、クロスロードというゲームが開発された。
    A: ホット・トピックとは、判断を間違うとすごく大きな影響があるもののつもりでした。
  • Ⅲ.【普段の授業】
    ①オーラルイントロから⑫リサーチプレゼンまで
    心がけていることは、
    • 音を聞かせて文字を見る
    • ソロ→ペア→学習共同体→自律的学習
    【ビデオ】
    • リーディング教科書検定教科書で、啓林館"Element"
    • 生徒に英語で問いかけていく
    • 村上春樹の『1984』
      • オーラルイントロ
      • エクセルを使用したフラッシュカード
      • フレーズごとにきいて、生徒はメモを取る(フレーズごとに先生はヒントを与える「SVO」など)
      • メモの後、PTNとチェックする
      • ペア挙手で、確認 v
  • <参加者の感想>






    ●日時: 2014年12月20日(土) 午後3:30~7:00

    3:20 ~ 受付開始
    3:30 ~ 5:00 中学レポート [担当:日比]
    5:00 ~ 5:15 休憩
    5:15 ~ 6:45 高校レポート [担当:萩原]
    6:45 ~ 7:00 アンケート記入・事務連絡

    ★例会終了後に「望年会」があります。是非ご参加ください。
    ●会場: 大倉山記念館 第1集会室 (Tel. 045-544-1881)
    (東急東横線「大倉山」下車 徒歩5分
     改札口を右に出て右折、急坂上る)

    より大きな地図で 大倉山記念館までのルート を表示
    ●会場費:500円(支部会員200円 学生200円)
    [当日会員登録(年会費2000円)で割引適用]
    ●中学実践報告: 「英語の魅力とわくわくを伝える授業」
    廣橋智美さん (品川区立小中一貫校八潮学園)
    レポーターから:
    オーストラリア留学中、英語を通して、言葉や文化の違いを超えて人とつながる温かさや喜びを体験しました。そんな体験や、英語の魅力を、日々の教室で実感してもらえる授業をしたい、という思いで授業を考えています。海外からの旅人が泊まるゲストハウスとコラボして、生徒の作品や実際の交流を通して世界と生徒をつないだ実践と、日々の授業をできるだけ「わくわく」させる工夫の実践を、報告します。
    ●高校実践報告: 「学びはひとりでは成立しない
     ―生徒に協同感を持たせるための仕掛けづくり―」

    倉本和晃さん(慶應義塾高等学校)
    レポーターから:
    今はネットや学習書を利用すれば一人で英語学習ができる時代です。そのような中、教室で英語を学ぶ意味はどこにあるのでしょうか。答えは仲間と共に学ぶことにあると私は考えます。この数年、授業を組み立てる際に「他者と関わることで成立する学び」を念頭に置いてきました。その取り組みを皆様と共有できればと思っています。
    ●お問い合わせ: 萩原一郎 クリックするとメーラが開きます。

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    (2014年11月22掲載/2015年2月7日更新)