■ 神奈川新英研2月例会報告
2012年2月
2012年2月18日 大倉山記念館にて 参加者17名
- 参加者交流
- 中学実践報告
- 高校実践報告
- 例会概要
●近況,最近取り組んでいること
- 次の4月から取り組もうとしていることは「洋書を1冊テキストにする」(検定教科書は速読教材として使用),「DVD教材を使用する」(生徒のアテンションをゲットしやすいから)。
- 大学入試を視野に入れた指導(長文速読、日英記述力、自由英作文、和文英訳)
転職活動(私立中高一貫校:都内(1校内定)、県内(1校内定)※まだまだ続く…)
長男が私立中にやっとのことで合格。 - 小中連携について
- ペアワークまたはグループワークをすべての授業で取り入れる
- 音読をいかに生き生きとした意味のあるものにできるか
- 教科書1ページ10行くらいを4人班4グループで分担して訳と解説をさせる
●授業でうまくいかず悩んでいることなど
- 帰国子女と日本育ちの生徒との調和を図ること。帰国子女の日本語記述力をいかに高めるか? 一応指導プランは完成してはいるが。私立での先取り授業のあり方(受験優先の弊害?!)
- 来年度の授業計画について
- ほぼオールイングリッシュで行う授業の年度初めの導入方法
- 単語テストでは(8〜10個)満点の生徒が多くなったが、長期の暗記に結びつかない
●事務局への意見
- ドン引きになるかも知れませんが、私学の進学校もレポートに入れて欲しいと思いました。鋭い指摘をさせて頂くのであれば、公立よりも私立の中学へ入学させたい親の気持ちが分かってしまいます…
- 授業で使えるゲーム。遊びの要素だけでなく文法力や語彙力が付くようなものがあれば知りたい。
●中学実践報告:「コミュニケーション能力の基礎を育成する授業作りをめざして~小中のつながりを意識して~」
松浦美代子さん(大和市立渋谷中学校)
光陰矢のごとし。1年目に初々しいレポートをしてくださった松浦先生が11年目だということでビックリです。
松浦先生
- 教職11年目。10年目研修と大和市の外国語教育研究部会で発表した。
- 24年度から,大和市は教科書がNew CrownからSunshineに変わる。自分を表現する場面があるので,プラス1時間できるのでそれを意識した授業にする予定。
- 勤務校:1年4クラス,2年5クラス,3年3クラスの計12クラス(390名)。外国籍の生徒と保護者が外国籍の生徒は65名。いちょう団地でインドシナ難民を引き受けていたため。たいていの生徒は日本で生まれたので困らないが,ときどき外国生まれの生徒がいるので厳しい。ベトナム,ペルー,カンボジア,ラオス,中国の順で多い。
- 授業時間:23年度は1年3時間(1時間TT),2年前期は3時間(1時間TT)後期は4時間(選択1時間で1年からの復習),3年4時間(1時間は少人数で1年からの復習と受験対策)。年間10回AETの授業があり,恵まれている。
授業
- 小中連携を意識した授業「合言葉」「チャンツ」「グループ活動」:学区内の小学校の外国語活動では,合言葉「コミュニケーションのあいうえお」(あいさつ,アイコンタクト,うなずく,えがお,おれい)が生徒に浸透している。そこで英語で,HEARTS(Hello, Eye contact, Answer and Reaction, Thank you, Smile)という合言葉を取り入れた。また,小学校でも行われているチャンツ(リズムに合わせて言う)やグループ活動を取り入れた。
- 場所を案内する:
- ① 導入(10分):あいさつ,前時の復習
チャンツで「場所を表す前置詞」(next to / in front of / between)をリズムボックスに合わせてALTと発音。JETとも3段階速めたリズムで音読。
そのあと「店の名称」(doughnut shop / ice cream parlor / supermarket / barber / department store / bank / entertainment store:生徒が気に入っていたのはbarber / entertainment store)
「対話(Dialogue)」を復習。
A: Excuse me. I want a book. Where is the bookstore?
B: It's next to the restroom.
A: Next to the restroom?
B: That's right..
A: I see. Thank you.
B: You're welcome.
ワークシート:shopping list(買い物リスト)
1F:a pumpkin (supermarket), some candies(sweet shop), some balloons(100-yen shop)
2F:a CD (entertainment store), a hat(department store )
3F:a bag (department store ), a book(bookstore), some candles(DIY shop) - ② 展開(35分):
1) ハロウィーンパーティの買い物に行くという設定。JETとALTでわざと悪い見本を見せる。そしてHEARTS(Hello, Eye contact, Answer and Reaction, Thank you, Smile)を貼って,1つずつ振り返る。実践的コミュニケーションとは「思いやりの心」と考えている。その育成のためにHEARTSを意識させる。
2) 4人グループで2人が客,2人が案内役。練習した後,発表する(ALTが案内役,1グループが客役)。 - ③ まとめ(5分):振り返りシートの記入(活動を振り返って思ったことやペア・グループの良かった点を書こう/3段階評価(ABC):楽しかったか/HEARTSは意識できたか/相手に分かりやすく場所を訊いたり伝えたり出来たか/ペア・グループで協力できたか)
- ① 導入(10分):あいさつ,前時の復習
チャンツで「場所を表す前置詞」(next to / in front of / between)をリズムボックスに合わせてALTと発音。JETとも3段階速めたリズムで音読。
質疑応答+意見交換
- Q:(小学校ではよくしているが)チャンツはジェスチャーはつけますか?
A:in front ofなど,場所の前置詞のときに物を置いたりして示した。 - Q:外国籍の子どもたちがクラスにいるが,平和そうに見える。
A:かつては荒れていたが,校舎が移転して生徒が落ち着いた。外国籍の親御さんは話が通りにくいということがあるが,通訳の方と連絡をとって話しているので大丈夫。 - Q:活動に参加しない生徒はどうするか?
A:ペアワークで2人ともだんまりにならないように,組み合わせを工夫する。1人ずつの活動ではなるべく,私から話しかけていく。3人ぐらいそういう生徒がいる。 - Q:こういう授業を2,3年生でも出来るか? また,ALTなしでも出来るか?
A:TTでなくてもやっている。2ヶ月に1回,会話を楽しむという授業をしている。 - Fさん:スポーツの習得に似ていると思った。体育の授業を英語でするというのを観たことがある。子どもが笑っているのが良かった。
- Q:文法説明はどうしているか?
A:授業でターゲットセンテンスを使って,オリジナルの文を書かせるようにしている。その場で教えたり,みんなが必要なものは板書したり,ワードバンクのように語彙を示している。 - Q:「~年生」をあらわすgradeとyearの違いは?
A:特に指導はしていない。 - Q:ALTにお任せですか?
A:ラブ先生はご自分でプランを出すので,こちらからは注文をつける感じ。 - Q:ALTはみんな明るい人ばかりではないが,困ったことは?
A:急に休む人がいたりしたので,困ったことがある。 - Wさん:3つ意見です。
1)(CDs / magazines/ books「CD/雑誌/本」などの種類の違いを説明するような説明文ではなく)具体的な場面では,a CDを複数にするとsome CDsなので,someをつけてほしい。
2)複数形のWhere are they?も扱って欲しい。It's ~.ばかりになっている。Where are my glasses? They're on your head.(メガネどこ? 頭の上だよ)のように。
3)Where is the toilet?とNew Crown 1にはあり,私はおかしいと感じているが,ちゃんとWhere is the restroom?としているので安心した。 - Q:between(2つの間)とamong(3つ以上の間)の違いを教えているか(教えた方が良いと思う)?
A:授業中に辞書を使ったりするが,これは扱っていない。 - 専属のAETがいないのはかなりつらいですね?(JTEとの連携はけっこうつらい?) 大学との連携が教員レベルで出来るのは大事ですね。週の単位時間が少ないのは大変ですね?…これで全て網羅するのは…コミュニケーションを図る時の心理をHEARTSと称して上手く伝えているのが良い。(駆け引きも含めて対話を膨らませる手段) チャンツは動機付けとしてはかなり使えるとは思うが、語句の使い方をもっと文法も含めて詳しく説明する必要があるのでは? 実際に場面の中でロールプレイで"Don't be afraid of making mistakes!"を意識させることができるので非常によい。スポーツの技能習得とかなり共通点が多いので、体感している生徒が常に笑顔を絶やさずに楽しそうで良い。例えば各グループに買うものを決めさせる上で家庭生活の条件(趣向、親の職業による購買(消費)行動の意欲の変化など)を設定してロールプレイするなどの工夫があると面白くなるのでは?
- とても楽しそうに取り組んでいる大和の子供達を懐かしく拝見させてもらいました。
- コミュニケーション重視の授業は私の目標とするところなので参考にしたいアプローチが多かった。
- ALTの関係性というのは公立と私立でだいぶ違うと思いました。私の勤務校では専任3人、学生ボランティア2人というネイティヴに恵まれた環境ですが、逆にバランスが難しくなってしまう部分があると思いました。ペアワーク・グループワークをうまく回すのが本当に難しいと思っているので参考になりました。
- ALTとの授業をどう進めて行くべきか現在の私の問題です。
- 3年生になってまで「3年週4回のうち1回は少人数で1年からの復習と受験対策」とあり、なんで3年になってまで「1年からの復習」なのかと思いました。大和市内9校中で8,9番目の学力とお聞きし、納得できました。授業以外のご苦労も多いのではと推察します。
●高校実践報告:
都合により内容を削除しました。
●日時: |
2012年2月18日(土) 午後3:30~7:00 3:20 ~ 受付開始 3:30 ~ 5:00 中学実践報告 [担当:日比] 5:00 ~ 5:15 休憩 5:15 ~ 6:45 高校実践報告 [担当:和田] 6:45 ~ 7:00 アンケート記入・事務連絡 |
●会場: |
大倉山記念館 第1集会室 (Tel. 045-544-1881) (東急東横線「大倉山」下車 徒歩5分 改札口を右に出て右折、急坂上る) より大きな地図で 大倉山記念館までのルート を表示
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●会場費: | 500円(支部会員200円 学生200円) [当日会員登録(年会費2000円)で割引適用] |
●中学実践報告: | 「小中連携を意識した,中学校入門期の指導」 松浦美代子さん(大和市立渋谷中学校)
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●高校実践報告: | 都合により内容を削除しました。 |
●お問い合わせ: | 萩原一郎 |
(2012年2月11日掲載/4月27日更新/2013年2月9日一部削除)