■ 神奈川新英研4月例会

2002年4月
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3月4月5月9月
2002年4月20日 大倉山記念館にて 参加者:10名

4月の実践報告(高校):「OCBの授業の中でのShow & Tell活動」

中村 康雄さん(県立住吉高校)
 Show & Tellではお気に入りのもの、大切なものを見せながら話します。今まで関心外(out of 眼中!?)だったクラスメートの優れたところやいつも身近で分かっていると思っていた友人の意外な一面が教室で明かされます。傷つくことを極端に恐れる昨今の生徒たちは多弁なように見えて実は自分のことを身近な人に伝え切れていないようです。お互いを認め合い、自分の世界を身近な人とshareする機会としても有効な活動です。

(1)学校

  • 住吉高校(7・6・6クラス)
  • 1年:英語Ⅰ(3)+オーラルB(2)
    2年:英語Ⅱ(5)
    3年:リーディング(4)、必修選択で、英会話(2)/基礎英語(2)/英語構文(2)。自由選択で、英会話(2)/英語構文(2)。

(2)Show & Tell

  • Show & Tell Activityの利点:なにか自分の持ち物を持ってきて、みんなに見せながら話す活動。聞く人には主題が何であるか目で見て分かるので聞きやすく、話す人はテーマが1つに絞れているので話しやすい。
  • 中村先生とShow & Tell Activity:毎年のようにオーラルBで個人的に行ってきた活動。住吉高校に赴任して初めてALTの提案で学年としての取り組みになった。ビデオ撮影もALTの提案。
  • Show & Tell Activityの実際:4回の授業で行った。
    1時限目:タイトルを考える=持ってくるものを決める
    2時限目:モデル文+フォーマットをプリント配布、それに基づいて英文作成
    1. The Theme
    2. Beginning Remarks:Let me tell you something important about me.
    3. Body
    4. That's all. Thank you for listening to me.
    5. パートナーが英語でする2つの問い+発表者の回答
  • 3、4時限目:授業で発表

(3)生徒の発表例1

  1. My Guitar (ギターを見せて…)
  2. Let me tell you something important about me.
  3. I love rock music. I listen to rock music, but I was not satisfied with just listening. So I wanted to play a musical instrument. I chose the guitar because I thought it was very charming and cool. I bought the guitar a few years ago. Soon after that I started practicing on it. I wanted to make my own band. I called my friends and asked them to join the band. I've once played the guitar in front of an audience. I found it very interesting to play the guitar at that time.
    In this high school, I have made my own new band, too. We have been practicing hard for next years Hazuki Cultural Festival.(ALTの加筆訂正あり)
  4. That's all. Thank you for listening to me.

生徒の発表例2: 5. の英問英答にご注目を!

  1. My Favorite Book (オーストラリアの画家ラッセンの画集を見せて…)
  2. Let me tell you something important about me.
  3. It's my favorite book. These pictures were painted by Lassen. I think they are very beautiful because I love the sea. This is my favorite picture. The title is ETERNITY. When I see his pictures, they make me relaxed. I want to buy his art someday.
  4. That's all. Thank you for listening to me.
  5. Q1: Who painted these pictures?
    A1: Lassen.
    Q2: (生徒の作成した英文)What title does she like best?
    [この英文だと「一番好きなタイトルは何?」になってしまう…]
    (ALTの訂正した英文)What is the title of the painting that she likes best?
    [この英文なら「一番好きな絵のタイトルは何?」という意味になる!]
    A2: ETERNITY.

■レポーターの感想

  • 私が一人で実践していたときは、ひとつの工夫しかできなかったが、私の実践を他の人と一緒にやって感じたことが一杯ありました。準備の手順は他の人と一緒にやることで計画性、緻密性を問われました。中身も評価についてはなおざりに出来なかったし、新しい発見を得ることが出来ました。生徒の心に残る活動になったというのは間違いないと確信しています。ビデオに実践を撮っておいたことで、さらによいものを違った工夫をして実践してみたいという希望も出てきました。ありがとうございました。

■参加者の感想

  • 1人の取り組みから学年の取り組みでALTと共に取り組んでいるので、生徒同士が刺激し合って高い質のものになっていく(練習時間がとれるともっとよくなる)のではないかと思う。
  • Show & Tellの発表、ありがとうございました。2人組になってやるというのが面白かったです。多分、いろいろな形のShow &Tellがあるんでしょうね。いずれは私もやってみたいと思いますが、学校事情がなかなか許しません。本校の事情にあった型みたいなものを見つけられればと思います。
  • 高1であれだけの文章を書ける。課題も愛読書などが含まれている。こういう高校生はけっこう「良い家」の出身だろうと考えられる。意欲さえあればどんどん伸びると思われる生徒たち。基礎力だけを問題にしている我が校から比べるとうらやましい。
  • ALTのAmandaさんとのチームワークがすばらしい。発表原稿を丹念に見て添削してくれるので、生徒も助かるのではないか。Show &Tellはテーマが明確なので、話しやすく、生徒もリラックスして発表していたようです。
  • OCBのShow & Tellの活動をありのまま見られて、よかったです。淡々と述べられていましたが、生徒の自己表現を他の先生と共同実行されたという点が参考になりました。

(2012年4月27日更新)