■ 神奈川新英研
2月例会
2005年2月
2月26日大倉山記念館にて、参加者:18名。
●報告
「英日通訳ワークショップ〜アウトプットは論理的な日本語を」
冠木[かぶき]友紀子さん(通訳・翻訳、成城学園高校)
(1)冠木さん
- レポーターから:「私は、言葉や国の枠を超えて教育をめぐる知恵の共有が求められ、進んでいる今、通訳心得のある教員には活躍の場がきっとあると考えています。今回は、新崎隆子先生のDLS方式を応用したトレーニングのあと、明快な論理を含んだ英語素材を訳し、自分たちの日本語の論理性を見直します。今年度出会った素敵な仕事のこともお話しするつもりです。」
- 今年度出会った素敵な仕事:人智学を実践する『ひびきの村』で行われている『治癒教育家養成講座』(学習困難、ADHD、アスペルガー症候群などについて学びつつ、これまでの大人のあり方を問い直す)で冠木さんが通訳、これを録音したものが文字化、編集されて講義録として刊行されている。
http://www.hibikinomura.org/
- 日本語でのshadowing(情報に集中する訓練は日本語でもできる):NHK『明日を読む』を聞きながらshadowingで日本語を繰り返す。
- 日本語でのREPRODUCTION
- 日本語を英語で通訳
- 「日本語で自己紹介+通訳という仕事について私が持っているイメージを語る」という指示のもと、参加者は日本語でメモを書き始めた。(以下略)
- 文体を変える:教科書『Unicorn 1』の「色について」の文章を聞いて、冠木さんの言ったキーワードを文頭にして、構文を変えつつほぼ同じ情報を網羅する。
例:物事を主語にした受動態から人を主語にした能動態にする
■参加者の感想
- 冠木先生のワークショップは自分の英語力が試されているひとときでした。また教室で『ユニコーン1』を使ってのプレゼンテーションもとても刺激的でした。
- 逃げ出したいくらい緊張しました。ですが、教える以上、リスニングの力をつけなければいけないと痛感します。訓練しなければ、全然追いつけない。とても刺激的inspiringでした。
●実践報告(中学)
■「読みとり教材をどうビデオ学習に発展させたか」
日比 和子さん(大和市立引地台中学校)
中学3年生の読みとり教材“Fly Away Home”(日本語のタイトルは「グース」)のDVD(ビデオ)全編を3回に分けて見ていき、生徒に様々なことにチャレンジさせた日比先生の報告。DVDの使い方に参加者の注目が集まりました。
- 授業
- 教科書:中3『New Crown 3』Let's Read 2 Fly Away Home
16羽の雁[がん]を羽化させた少女が超軽量小型飛行機で先導して湖に返すまでを描いた実話。 - 教科通信『ゾクッ2E.T.通信』:読みとりはあらすじをつかむ程度。プリント2枚で内容確認の質問とリスニング(True or False)を行った。
- ビデオ全編を3回で鑑賞:毎回ポイントを決めてチャレンジコーナーを設けた。
- セリフの聞き取り+なりきりアフレコ
- 会話のおおまかな内容把握
- 数字のリスニング+映画の感想
- 「あなたも翻訳家」にチャレンジ
- 教科書:中3『New Crown 3』Let's Read 2 Fly Away Home
- Q&A
- どのように生徒に映画を見せたか?:これまではビデオだったので字幕部分にガムテープを貼ったり取ったりして見せた。今年度学校でDVDを購入。
■参加者の感想
- ただ映画を見せるだけでなく、3回分の授業に分けてtaskを毎回与えたのが生徒に良かったと思います。しかし、どの場面を取り上げるか、何度もDVDを見たことと思います。作成の苦労が偲ばれました。
- 感動しました。おそらくたくさんの生徒が楽しんで授業を受けたのではないかと想像しました。きっと何年も生徒の頭に残る教材ですし、先生の努力が印象として残ることになると思いました。
(連絡先:中村康雄 )
(2005年8月4日)