■ 神奈川新英研4月例会
2004年4月
4月17日、大倉山記念館にて、 参加者:16名。
実践報告(中学)
「カンボジア・マシーン」
泉康夫さん(川崎市立南加瀬中)
タイトル「カンボジア・マシーン」はALTの命名だそうです。カンボジアにこの春休みも旅行された泉先生。英語の授業の中でアジアの今を盛り込みたいという意欲がさまざまな活動となって現実化しています。参加者も実際にやってみて楽しみました。
●泉先生
- レポーターから:通常の授業から「教科書にはない題材」へと道をつける、そんな学習活動の手法として以下の3要件に適うカタチはないか。それがここしばらく考えていることだ。
- 平和や人権、環境などの課題にクロスしていて自ずとその一端を語ってくれる。
- ALTとのTTが可能(「コミュニケーション路線」対策)
- 私語や立ち歩き、他学級からの出入りに屈しない
- カンボジア・モードのHow-toもの、ワークショップ
- 「世界に一つだけの花SP〜スピーキング編」
- Writing編:Speaking編で行う「受け身」の文章を練習しておく。
- Speaking編:Writing編をやっておいてから行う。
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ショートスキット例を2つ挙げておき、それを見本にしてスキットを考える。ペアで先生に向かって話す。4文目は必ず疑問文にして、先生に質問する。
- 文法事項を使った活動(短い時間でできる)
- 毎回の授業の始めの活動:絵を黒板に数枚貼ってThey can play soccer. / He can play the piano.などを指名して言わせる。
- 授業の終わりの5分でできる活動:Can you〜?を使った文を4×4=16文をB5の色紙に印刷しておいて配布(Can you ski? / Can you use a computer?など)。指名された生徒は好きな出だしの箇所から4文を読み上げる。次に指名された人はその続きの4文を読む。
- 「Mines!!」:昔あった「軍艦ゲーム」「レーザー作戦ゲーム」方式を利用してゲーム性をもたせたペアワーク。
- 「The Mission」(タイやホンコン、韓国はmission(指令)を作りやすいが、デパートが1つしかなく都市化されていないカンボジアに関しては指令の作成がしにくいため、作成途中だそう。例会ではホンコン編をした。)
■レポーターの感想
- 前任校での3年間の実践を発表させていただきました、私自身驚いているのは、意外にもこの3年間で自分がいちばん影響を受けた人はコミュニケーション路線をひた走る同僚の英語教員だったことです。黒川先生の発表の中にあったBe open to new ideas.の日々でした。どうもありがとうございました。
-
「立ち歩きや乱入にめげない」授業内容(ワークショップ)というコンセプトで考え 出されたというところがすごい。単調を嫌がるくせに保守的で変化をあまり好まない生徒たちが食いついてくるのは、この授業に現実感があること、動きがあること、グループでチャレンジさせるところだろう。
実践報告(中学)
「コミュニケーション能力を育成するための継続的音声指導」
倉内 大史さん(葉山町立南郷中学校)
教科書教材を元に作った自作のリズムテープによる音読指導、フォニックスを使った指導、レシテーションコンテストなど、中学1年から3年生まで3年間を見通して続けている音声指導・音読指導の紹介。「生徒が意欲を持って学べるように」様々なアイデア・工夫が凝らされているので高校でも十分使えます。(昨年の全国大会でも好評でした!)
■参加者の感想
- ビデオ、本など、参考になる資料をたくさんご提示下さり、大変ありがたかったです。
- 倉内先生のリズムにのって英語の音読。楽しい実践のひとつだと思います。とても参考になりました。私もテープにリズムを吹き込んでTRYしてみたいと思います。ありがとうございました。
- 独自の発想+様々な本からの応用で、いろいろ実践を試行錯誤されている発表、とても参考になりました。更なる追実践報告(どうコミュニケーション能力と結びついたか)を伺ってみたいと思いました。
●報告:
「英文法用例集の編集を通じて考えたこと」
黒川泰男さん(元・大阪電気通信大学教授)
(黒川先生から)現在執筆している英文法用例集を編集しながら、考え付いたことなどをお話ししたいと思います。また、いかなる言語であれ、文法は単なる手段・道具ではなく、人間の本質そのものであることを参加者のみなさんに伝えられたらと考えています。
- ●海外の英語教育
- ロシアの英語教育雑誌『English』の2月号「バレンタインデー特集」を紹介
・ バレンタインデーにちなんだ替え歌:
Be My valentine ( Sung to Mary Had A Little Lamb 「メリーさんの羊」の節で)
You're special friend of mine, friend of mine, friend of mine. You're special friend of mine, friend of mine. Be my Valentine. (以下略) - ●例文
- ・ 文法教材には「超歴史的によいもの」「同時代的によいもの」の2種類ある。
・ 外国語では文法は独立した時間を設けて教えるべきだ。 - ■参加者の感想
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- The Russian magazine Mr. Kurokawa introduced to us was very interesting. He works very hard, doesn't he? He says he is going to publish a grammar book, so I'd like to buy one. I think we all have a responsibility to pick out useful phrases and use them in class.
- 黒川先生の読み上げられた英文の選択の仕方もさることながら、音調のメリハリがすごい強い! やはり授業者の迫力でつい生徒になってしまいました。
新英研メーリングリストでロシアの英語教育雑誌『English』の2月号「バレンタインデー特集」からFriendの詩を黒川先生が紹介してくださいました。
神奈川支部の会報に和田の和訳をつけて掲載しました。
(プリントにされるときは先頭を太字にされるといいと思います。)
■ A friend... 友達は…
- Accepts you as you are ありのまま受け入れてくれる
- Believes in "you" 言っていることを信じてくれる
- Calls you just to say "Hi" 電話してきて「ヤア」と言う
- Doesn't give up on you あなたのことをあきらめない
- Forgives your mistakes. 過ちを許してくれる
- Gives unconditionally 無条件でくれる
- Helps you 助けてくれる
- Invites you over 家に招いてくれる
- Just to "be" with you ただ一緒に「居て」くれる
- Keeps you close at heart 心の中で親密に思ってくれる
- Loves you for who you are あなたがあなたであるからこそ愛してくれる
- Makes a difference in your life いてくれると何かが違う
- Never judges 決して決めつけない
- Offers support 支えようとしてくれる
- Picks you up 車で拾ってくれる
- Quiets your fears 恐れを鎮めてくれる
- Raises your spirits 気持ちを盛り上げてくれる
- Says nice things about you ほめてくれる
- Tells you the truth when you need to hear it 聞く必要があれば真実を言ってくれる
- Understands you 理解してくれる
- Values you 価値をおいてくれる
- Walks beside you そばを歩いてくれる
- Explains you 理解してくれる
- Yells when you won't listen and 話を聞いていないと叫び
- Zaps you back to reality 現実に引き戻してくれる
(連絡先:中村康雄)
(2004年11月30日 更新)