■ 北海道ブロック集会
2009年
2009年 北海道ブロック集会(第42回全道外国語教育研究集会)
① 講演:
「英語は日本語を亡ぼすか-
水村美苗著『日本語が亡びるとき-英語の世紀の中で』を読んで」
講師は北海道教育大学札幌校教授:加藤富夫氏。
- 書評というよりも、書批判として、この本の中に内在する諸問題を厳しく指摘されている点がすばらしかったです。「グローバリズム」としての「普遍性」には対峙してゆくべきですね。
- 小学校英語が導入される今、日本語(母語)の大切さを再認識させられました。母語がその国の文化・思想を作ることがよくわかり、大変よかったと思います。
- 英語に力を入れることが強調されている現在の、奥にある問題点等が見えてきたように感じます。
② 発表
1 「授業プラン(学年の先生紹介クイズ)・小さなプレゼント付き」
高橋広光
- 高橋先生の発表はいつも心あたたまる、とても大事なものをもった発表です。参考になります。何か手作りの道具をあみだしたい。
- 去年の発表(自己表現・夏期休み中の課題)もとても参考になり、自分でも実際にところどころまねさせて頂きながら使っています。今回もまた新しいアイディアを教えていただき、ありがとうございました。
2 「現役最後の自己表現に取り組んで」
土門玲子
- 長い間のおつとめ、お疲れ様でした。生徒たちとのカクトウ(?)が目に浮かびました。自己表現を形に残すことの素晴らしさを実感しました。
- 自己表現には大変興味がありました。見せていただいた作文集すばらしかったです。日常での取り組みが大変興味があり、質問もでき、学校が始まったら早速やってみようと思います。
3 「『学力向上とは』--18年度入学生への実践」
菅原三郎
- 高校での現状を詳しく分析され、中高の連携の大切さ、中学校でしっかりしなければならないことを再認識されました。
- 使わないとことばは消えていくということですね。本を読むこと、活字に親しむことを習慣化させる必要があります。
4 「英語の”with”は何者か」
小山内洸
- 資料がとてもわかりやすく、興味深く聞かせていただきました。「あいまいさの容認度」という部分はとても共感出来ます。ついつい1つの訳にとらわれがちですが、いろいろな考え方で読み取ることが大切だと思いました。
- 久しぶりに言語について専門性の高い見識にふれることができました。辞書の定義で「良し」とする私と違い、こだわりを持ち調べるところはさすがです。
5 「Behind the reading worksheets:読解のための典型的なタスクの意図するもの」
杉山譲司
- チャンク読みはよく使いますが、「応用編」としての活用は初めて聞いたので参考になりました。
- とてもすばらしい発表です。チャンク読みがどのように生徒に理解されているのかの分析もすばらしかったです。
6 「ポップスの中のHumpty Dumpty」
大道友之
- 非常にユニークな視点です。文化を知るきっかけにもなる、良い教材になると思いました。
- こんなにたくさんの中にHumpty dumptyが引用されているのに驚きました。これからは意識してpopsを聞いていこうと思います。
③総会
今回の集会自体は成功でしたが、北海道新英研は現在事務局体制が厳しい状況にあります。従いまして、例年この集会は2日日程で行っていましたが、今回は1日日程でした。総会では、体制の立て直しを図るために「共同代表制」に移行するということが決まり、来年1月のこの集会で移行するべく取り組んでゆくことになりました。
(2009年5月10日更新)
(2008年12月24日掲載)
講演・発表それぞれについての参加者の感想の一部を載せて、集会の報告とします。