■ 北海道ブロック集会
2000年
2000年北海道ブロック集会(第33回全道外国語教育研究集会概要報告)
第33回全道外国語教育研究集会が1月7日、8日札幌市のホテルユニオンで行われた。テーマは「21世紀の外国語教育を考える」。
今回は夏の全国大会をにらんで、多くの実践レポートを組織しようと事務局はじめ各サークルに連絡をとったところ、8本のレポートが準備でき、当日飛び込みレポート1本を合わせると計9本という例年にない多くの実践報告で集会が充実したものになった。
中学・高校、またベテランと新人のバランスもよく、参加者から分科会にしてもよいほど、との感想がもれるほどであった。
1日目は北海道新英研の研究部から基調報告(報告者・藤川実=札幌白陵高校)がなされた。
新学習指導要領批判とそれまでの外国語教育をめぐる諸課題を歴史的にひもとき、「4目的を受け止め発展させる英文法指導のあり方」を今後の方向性の一つとして提示してくれた。
基調報告につづく記念講演は藤垣エミリア(札幌国際大学短期大学部講師)の「ポーランドと日本の2つの故郷を持って〜言葉を考える」。
ポーランド出身の氏であるが日本語が堪能、参加者を話術巧みに引き込み、ときに笑わせ、ときに熱くし、ときに涙させるといった見事な講演であった。
氏の人生経験と言語遍歴に基づく説得力ある内容で、いくつか心に残っている言葉を紹介すると、
1日目午後のレポートは以下の通り(発表順)。
「自己表現〜生徒の心を開くために」大口雅也(えりも目黒小中学校)、
「生徒が口をそろえて『難しい』と言った課題〜夏休み課題ANTHOLOGYの実践」杉山文枝(札幌平岡中学校)、
「Writingの授業をどうつくるか」新野さちえ(札幌厚別高校)、
「“Guess Who”から“Who Am I?”へ〜すべての生徒が参加し、活動する授業をめざして」藤岡博史(池田高校)、
更に飛び込みレポートの「教員2年目・授業づくりの試行錯誤〜生徒との関わりを通じて」徳長誠一(旭川農業高校)。
この日は自己表現のレポート、ライティングや語彙指導、また記号付けと言った、指導法・指導技術の面で優れたレポートが集まった。
大口(雅)・杉山・徳長、といった新人が新野・藤岡を始めとするベテラン実践家たちの新英研の財産を意識的に、または無意識のうちに取り込み、かつ独自の周到さ・深さ・広がりもって実践している姿は頼もしいかぎりである。
一方、2日目のレポートは指導技術を越えて、教師・英語教師としてどう生徒に向き合うかということに焦点を絞って議論できるレポートが集まった。
「いつでもどこでも生徒指導〜これが英語の授業か」坂井潔(札幌白石高校)、
「どうしようもない状況からの脱出〜生徒に打ちのめされて、生徒に救われる」野村健治(中川商業高校)、
「中学校でキング牧師をどう教えたか〜黒人差別問題をめぐって」大口久克(瀬棚中学校)、
「文化を学ばせながら英語を教える一考察〜英字新聞・ボランティア活動を通して」久光原(苫小牧勇払中学校)。
小・中からすでに荒れを抱え、そのままの状態で高校で荒れを引きずっている生徒のなかで坂井・野村はもがく様子を真摯に伝えてくれた。ただ野村の言うように光は生徒の中にしか見いだせない、そして英語の学習がその光明につながった。見事な資料と教材の積み重ねででキング牧師と黒人差別問題を中学生たちにぶつけていった大口(久)。常に学び続ける姿勢を示し続ける久光。
特にこの2日目は濃厚な1日であった。
参加者55名(大学2・高校32・中学16・その他5)。
今回は夏の全国大会をにらんで、多くの実践レポートを組織しようと事務局はじめ各サークルに連絡をとったところ、8本のレポートが準備でき、当日飛び込みレポート1本を合わせると計9本という例年にない多くの実践報告で集会が充実したものになった。
中学・高校、またベテランと新人のバランスもよく、参加者から分科会にしてもよいほど、との感想がもれるほどであった。
1日目は北海道新英研の研究部から基調報告(報告者・藤川実=札幌白陵高校)がなされた。
新学習指導要領批判とそれまでの外国語教育をめぐる諸課題を歴史的にひもとき、「4目的を受け止め発展させる英文法指導のあり方」を今後の方向性の一つとして提示してくれた。
基調報告につづく記念講演は藤垣エミリア(札幌国際大学短期大学部講師)の「ポーランドと日本の2つの故郷を持って〜言葉を考える」。
ポーランド出身の氏であるが日本語が堪能、参加者を話術巧みに引き込み、ときに笑わせ、ときに熱くし、ときに涙させるといった見事な講演であった。
氏の人生経験と言語遍歴に基づく説得力ある内容で、いくつか心に残っている言葉を紹介すると、
「(母親がその家族を殺されたドイツの言葉を堪能に話すことについて)母は、ことばはもともと美しいものだ、あのシラーやゲーテの詩を生み出したのだ、ことばに罪はない、と私に教えてくれた」などなど。はっきりとした態度に励まされる講演だった。
「ALTは生徒が相当話せるようになった段階で必要かも知れないが、現段階のJETプログラムに意味は無い」
「基本を丁寧に教えることの大切はいくら言っても言い過ぎということはない、その点日本の先生はよくやっている、自信を持つべきであ る」
「日本人は革命を好まないようであるが、英語教育を変えるというのならドラスティックに変えなければ変わらない」
1日目午後のレポートは以下の通り(発表順)。
「自己表現〜生徒の心を開くために」大口雅也(えりも目黒小中学校)、
「生徒が口をそろえて『難しい』と言った課題〜夏休み課題ANTHOLOGYの実践」杉山文枝(札幌平岡中学校)、
「Writingの授業をどうつくるか」新野さちえ(札幌厚別高校)、
「“Guess Who”から“Who Am I?”へ〜すべての生徒が参加し、活動する授業をめざして」藤岡博史(池田高校)、
更に飛び込みレポートの「教員2年目・授業づくりの試行錯誤〜生徒との関わりを通じて」徳長誠一(旭川農業高校)。
この日は自己表現のレポート、ライティングや語彙指導、また記号付けと言った、指導法・指導技術の面で優れたレポートが集まった。
大口(雅)・杉山・徳長、といった新人が新野・藤岡を始めとするベテラン実践家たちの新英研の財産を意識的に、または無意識のうちに取り込み、かつ独自の周到さ・深さ・広がりもって実践している姿は頼もしいかぎりである。
一方、2日目のレポートは指導技術を越えて、教師・英語教師としてどう生徒に向き合うかということに焦点を絞って議論できるレポートが集まった。
「いつでもどこでも生徒指導〜これが英語の授業か」坂井潔(札幌白石高校)、
「どうしようもない状況からの脱出〜生徒に打ちのめされて、生徒に救われる」野村健治(中川商業高校)、
「中学校でキング牧師をどう教えたか〜黒人差別問題をめぐって」大口久克(瀬棚中学校)、
「文化を学ばせながら英語を教える一考察〜英字新聞・ボランティア活動を通して」久光原(苫小牧勇払中学校)。
小・中からすでに荒れを抱え、そのままの状態で高校で荒れを引きずっている生徒のなかで坂井・野村はもがく様子を真摯に伝えてくれた。ただ野村の言うように光は生徒の中にしか見いだせない、そして英語の学習がその光明につながった。見事な資料と教材の積み重ねででキング牧師と黒人差別問題を中学生たちにぶつけていった大口(久)。常に学び続ける姿勢を示し続ける久光。
特にこの2日目は濃厚な1日であった。
参加者55名(大学2・高校32・中学16・その他5)。
( 文責 杉山讓司)
と き: | 2000年1月7日(金)〜8日(土) |
ところ: |
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テーマ: | 21世紀の外国語教育を考える |
内 容: |
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参 考: | 詳細・最新情報は、北海道新英研ホームページ内の「第33回全道外国語教育研究集会」をご覧下さい。 |