■ 北信越ブロック集会

2009年12月
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2009年 新英研北信越ブロック集会


 12月19〜20日長野県別所温泉にて開催。例年、地理的状況から長野市内で行ってきたが、今年は戦没画学生の絵が展示されている「無言館」を2日目に見学しようということで上田の別所温泉を選び、参加者は15名であった。

メインレポート〜海木幸登先生

 今回は富山県の海木幸登先生が、今年度で定年退職されるため、メインレポーターをお願いした。先生は、41ページにも及ぶ「学ぶ、学びあう、学び続ける先生に」というレポートを用意された。先生は、国民教育としての英語は、企業研修を引き受けるのではなく、またファッションとしての英語教育でもなく平和的な国家および社会の形成者を育てることだと定義された。その上で、英語授業作りの4つの要素は ①教育内容 ②教材 ③学習活動 ④教授行為だといわれた。
 プリントを使って授業展開を具体的に説明されたが、平和教育につながる教材を選び、むにゅむにゅ方式(読めない単語があってもとりあえず音読をする方式)を使って、読めない単語はむにゅむにゅと発音していき、2回ほど音読したあとに読みのヒントを与え、同時通訳方式で英語から日本語、日本語から英語に直す練習をしたあと、虫食いプリントで英語の定着をはかり、基本文法問題プリントを用いて文法力の定着をはかる。そして発問や、指示で読み取りを更に深める。それを実際にワークショップ形式で教えていただいた。
 私の心を打ったのは、授業法ももちろんだが、先生の尋常とはいえぬ読書量である。なんと毎年200冊の本を40年間読んでこられたそうである。読書の分野も硬い本から週刊誌、経済誌(プレジデント)、漫画など広範囲に及ぶ。その深い教養をもとに「生徒諸君」という授業通信や学年通信を生徒に発行し、生徒の心の部分を耕し、「やる気」「元気」「本気」「根気」「和気」の5つの気の大切さや、「新しい友達」「新しい先生」「新しい自分」との3つの出会いの大切さを強調し、夢×計画×行動=成功 の方程式を用いて夢の実現の大切さを生徒に訴える。
 つまり、海木先生の英語授業の最終目標は生徒の夢を見る力を鍛えることであり、そこを目指しながら、授業プリント、授業通信、授業方法を総合的に展開していることがよくわかった。

その他のレポート

 その他のレポートを紹介する。
 新潟の小川弘義先生は、「定時制1年目の授業」の題で、昼間定時の困難な生徒に丁寧な学習プリントをだされている。
  富山の森田康寛先生は、2学期期末テストの問題を紹介され、クイックレスポンスの手法で創造的に書く力をつけることの大切さを強調されている。また、たくさん歌を取り入れ教科書にとらわれない授業法も斬新であった。
 長野の林茂樹先生は前任校の学年通信「命」の紹介と農業高校での名言(アーガスポスターなど)、歌、授業ノートの取り組みを発表してくれた。
 富山の河合真知子先生には、学級通信「命」の2学期分の紹介をしていただき、通信から生徒の生の姿を感じるとともに先生の生徒への願いが強く感じられた。

   2日目は、10時まで研究会を行った後、北向観音、3重の塔、無言館を全員で訪問した。無言館では、一人ひとりが静かに戦没画学生の残した絵と対面した。完成度という尺度では、確かに稚拙な部分もある絵なのだが、志半ばで戦場に消えた若者たちの無念を思うと一つ一つの絵が何かを訴えてくるのを感じた。今、自分の子供たちを見るとこの平和と豊かさの中で、多少の弊害はあるにしても自分の個性を十二分に伸ばしている。今の平和をこれからも守り、子供たちが夢を実現できる社会を維持していこうと改めて思いました。
期 日: 2010年12月25日(土) 13:00(受付12:30)
 〜12月26日(日)12:30
場 所: 935-0413富山県氷見市小境44
民宿「うらや」(TEL:0766-78-1216)

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費用: 宿泊8400円、夕食のみ5575円。参加費は1000円を予定。
※懇親会費は別です。
内容:
  1. 富山・石川・長野・新潟の中学・高校の現場から元気の出る実践報告
  2. 教材バザール、古本市
など。
連絡先: 海木幸登( クリックするとメーラが開きます。 )

(2010年10月28日掲載)