■ 群馬新英研10月例会

2012年10月
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 2012年10月21日(日)、「前橋プラザ元気21・第52会議室」にて。川場村を旅された埼玉支部・菊地恵子さんも参加され、合わせて9人が参加。

I 実践報告-①
『I Was Born To Love You を聴いて自己表現』+『Show & Tell』

横森 藍さん(高崎商業高校・定時制)

"I Was Born To Love You"

 横森さんはto-不定詞の学習で、埼玉・北川慎一さんのQUEEN:"I Was Born To Love You"を聴いてI was born to ~の自己表現に取り組ませる実践を取り入れました。
 今、定時制の3年生になる生徒たちは、What were you born to do?と問われると、一瞬立ち止まって、真剣に考え出してしまったそうです。改めて問われれば、誰しも答えを見つけるのに立ち止まらざるを得ない問いです。そこで、生徒たちの日々の生活のなかで思い・願っていること、関心を持っていること、自分を打ち込んでいることなどを語り合いながら英文にしていきました。個々の生徒の生活や思いを添えないと分かりにくいですが、生徒たちの作品(添削なし)の中からいくつか紹介します。

I was born to live.
I was born to die.
I was born to develop hay fever.
I was born to love human beings.
I was born to do world conquest.
I was born to find happiness.
I was born to kill humans.
I was born to love animals.
I was born to eat bananas.
I was born to talk to everyone.
I was born to see Ayu.

 4年生の授業でも取り組んでみました。4年生の作品です。

I was born to be a carpet.
I was born to be a fool.
I was born to be a helicopter.
I was born to be a king of pirate.
I was born to be a center in AKB48.
I was born to live somehow.
I was born to work Sankus.
I was born to see earth.

Show & Tell

 4年生のOC-Iで「Show & Tell」に取り組みました。教科書は「REVISED Sailing」(啓林館)。ワークシートは教科書に合わせて、STEP 1:何を紹介するか決めよう。STEP 2:紹介に利用する写真や道具を選ぼう。STEP 3:紹介したい理由や紹介する内容をいくつか考えてみよう。STEP 4:教科書のSampleにならって、紹介文を英語で書いてみよう。…の4 Stepsを用意し、先ずは日本語で良いからと準備に入りました。STEP 4に入ると、さすがにスマホ世代、情報収集にオンライン辞書やLINEなどが威力を発揮したそうです。
 生徒たちが取り上げたのは「己龍(ヴィジュアル系バンド)」「スケートボード」「ステーの焼き方」「愛用のラケット」「お気に入りの飲食店」「生徒に人気の先生」「ルルーシュ」「N3DS」「ぺット」などで、それぞれの個性がにじみ出た、楽しいプレゼンテーションの時間になりました。生徒相互の評価のために用意したCHECK SHEETには発表内容を記した日本語を示し、「声の大きさ・ハッキリ話しているか・みんなに伝えようとしているか・みんなを見ているか」のポイントで評価し合いました。

I 実践報告-②
『チャンク訳→全文訳から自己表現』+『教科通信Fragrance』

富澤 郁さん(下仁田高校)

チャンク読み

 富沢さんは、9月例会でお聞きした埼玉・柳沢さんの「チャンク読み」の実践を1年生の授業に早速取り入れました。
 授業プリントでは、英文をチャンクごとに分けてスラッシュを入れて提示し、まず、ペアやグループでチャンクの訳を記入させ、確認が出来たところで全文訳を求めています。プリントを使うと面倒にも感じられますが、一斉に進めていくときにはプリントの課題が1つの目安になって生徒にも教える側にも安心感が得られるようです。音読の1つ1つに困難を伴う生徒もいるので、みんなで読むというのが大変なこともあります。そのため、文の意味が理解できたら、1人1人の音読を丁寧に聴いてやるよう取り組んでいます。OCの授業ではペアの会話を聞くなどもして、実際に音声化したものを評価していくことが言葉の定着にいちばん良く結びついていくのではないかと、富沢さんは分析しています。
 プリントの最後に、そのパートのターゲット表現を使った1文自己表現に取り組ませます。生徒の作品は言うまでもなく教科通信でみんなにフィードバックします。富沢さんは、まとめるのは手間がかかりますが、生徒の声を吸い上げた形にすることが生徒との信頼関係を築くのに有効であったと評価しています。

広島への修学旅行

 富沢さんは、新英研「広島大会」に参加し、生徒たちへのお土産として映画『千羽鶴』のDVDを購入し、修学旅行で広島に行く予定の2年生の授業で鑑賞しました。この作品には英語字幕が付いているので、鑑賞しながら10のチャプターからそれぞれ1ヶ所ずつ抜き出した英語の空所を埋める作業をしました。古いモノクロ映画にもかかわらず、生徒たちは、自分たちの旅行と深い関係のある佐々木禎子さんに強い興味関心を示し熱心に鑑賞しました。
 「鶴の折り方」を知らないという生徒がいたので、英文の折り方解説を用意し、みんなで意味を確かめながら千羽鶴を折りました。養護の先生にもお願いし、生徒たちがよく訪れる保健室に折り紙をたくさん用意してより多くの生徒たちの取り組みにすることもできました。自分たちで折った千羽鶴を原爆の子の像で懸架するという明確な目標ができ、平和記念資料館で禎子さんの折った折り鶴も見られるという前向きな思いも生み出せました。
 「生徒会長が代表で千羽鶴を持って行く」というメッセージを、生徒がパンを購入する購買の廊下に掲示して、全校へのアピールにもなりました。富沢さんは、「尼僧の佐治妙心さんがいじめから抜け出すきっかけとなった禎子さんの話でもあり、校内が安らかになる一つの動きが作れれば良いと願っています」と語りました。

II 講読「The Freedom Writers Diary」

Diary 13、 Diary 14を読みました。

Diary 13(担当:富澤)

 Ms. Gは、Durango Streetを授業で読んだあとで、この作品の映画を生徒たちの手で作らせました。日記の筆者(僕)とその友人(彼)の2人が、主人公Rufusの役をやりたいと希望しました。

 僕がRufus役を希望したのは、僕の境遇がRufusとそっくりだったからでした。何の問題も抱えていないように見える彼がRufus役を希望する理由を推し量ることができませんでした。しばらくして、彼になぜそんなにRufus役がやりたかったのか尋ねてみましたが、彼の答えは特別な理由はないというものでした。でも、僕は、彼が何か隠していると思いました。
 結局、僕がRufusを演じて映画製作は終りました。その友人はなんでもなかったような振りをしていましたが、やはり何かおかしいと分かっていました。翌日、彼がRufus役をやりたかった本当の理由を尋ねました。
 We walked in silence for a while before he told me about the first time he met his father. He was only four years old. His father walked toward him wearing an orange jumpsuit with his prison number across the chest. Behind him, he dragged the burden of heavy shackles. They didn't even have a chance to speak; the police took him away.
ということだったのでした。さらに続けてこう記されています。
 I felt sorry for him. I knew how hard it was to grow without a father. Finally, I understood his need to play Rufus. He wanted to express his pain through this character. Ironically, Ms. Gruwell chose him to play Rufus's probation officer.
 日記の筆者は、生徒たちは、映画作りを通して、Durango Streetをよりよく解するだけでなく、生徒が互いのことをたくさん知ることができたと記しています。
Ms. Gは、次にHoop Dreamsという、バスケットボールに情熱を燃やす2人の少年のドキュメンタリーを生徒たちに見せます。日記の筆者は最後にこう記しています。
  The characters were a lot like the characters in the book---but more important, they were a lot like us. Like Rufus, most people didn't expect them to do well. They proved everyone wrong. I guess it just goes to show that if your passion is deep enough, you can do anything.

Diary 14(担当:加藤)

 Ms. Gのクラスで、The Last Spinという短い物語を読みました。

 対立しているギャングの一方が、もう一方の縄張りで銃の乱射をした。a war in the cityを避けるために、両方のギャングのリーダーがTigoとDaveの2人に「タイマン」で決着をつけさせるよう決めてしまった。そのやり方は、なんと「ロシアン・ルーレット」。ゲームをやっているうちに、ギャングの戦いを収めるのに自分たちがロシアン・ルーレットをやるなんて馬鹿げたことだと気づきます。2人とも死にたくはなかった。
 これで最後にしようと、まずDaveが引き金を引き、Tigoに拳銃を渡した。
  What was supposed to be the end of the game ended up being the last game of Tigo's life.…というこの物語に、日記の筆者は、自分の目の前で起こったこと思い出す、と記します。
 4人の少年がリビングで遊んでいて、そのうちの1人が拳銃を手に入れたばかりだった。他の2人は拳銃に触れたことは一度もなかった。持ち主が彼らにその拳銃を渡したのだが、なんと彼は撃鉄を引いていたことを忘れていたうえ、弾が込められているか確かめていなかった。
 One of the guys who had never seen a gun before grabbed it. He and the other guy started to fight for the gun. The gun accidentally went off and hit one of them in the forehead. He died instantly.
 1人が拳銃の指紋を拭き取り、死んだ少年の指紋をつけて、みんなで何も触らないようにして逃げた。警察が来たが、目撃者がいないので、自殺と判断した。両親は、息子はそんな自殺などするような子ではないと、警察の話を信じなかった。発射したときその拳銃を手にしていた少年はその日以来姿を消してしまった。

 日記の筆者は、最後にこう記しています。
 I knew all of the guys who were there the day the boy died. The dead boy was a bit older than I was. I didn't talk to him much because he was a bully and he intimidated me. He would pick fights with the younger kids in the neighborhood. I almost got into a fight with him myself, but luckily, he walked away. Even though he was a bully, he didn't deserve to die, especially because he was just playing around.

(文責:加藤彰男)



日時: 2012年10月21日(日)14:00 ~ 17:00
場所: 前橋プラザ元気21
5階・52会議室


前橋市本町2-12-1
「中央公民館(前橋プラザ元気21内)」
Tel 027-210-2199

※JR前橋駅から徒歩10分

(別のウインドウを開き、より大きな地図で 前橋プラザ元気21 を表示)
※北側の道路を挟んですぐ向かいの立体駐車場他、指定の駐車場があり、参加者は無料で利用できます。(上の地図の緑色の箇所) ただし、北隣の駐車場は、時間に余裕を持たないと入るのに時間がかかる場合があります。
内容:
14:00~15:00 講読「The Freedome Writers Diary」
 p.26 Diary 13から読みます。
*本をお持ちでない場合も、とりあえずご参加ください。
15:00~17:00 実践報告
  • *2学期の中頃になりますね。授業プリントや生徒たちの作品、テスト問題などの資料をお持ち寄りくだ さい。プレゼン用の機器も用意します。皆さん、それぞれ「得意技」をお持ちです。5・6月と毎回、 ユニークな実践が交流できてとても楽しく学び合っています。あなたもドウゾ!
連絡・問合せ先: 加藤彰男 クリックするとメーラが開きます。 Tel. & Fax. 0270-20-2059
見城昌平 クリックするとメーラが開きます。
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(2012年9月9日掲載/12月16日更新)