『新英語教育』 2024年10月(662号)
教育とは本来, 「教え」「育てる」ことのはずです。従来の,教師が前に立って知識を教え込む教師主体の授業は十分とは言えません。学習者が自分の頭で考えて一歩踏み出し,自分なりの「何か」を見つけられるようなクリエイティブな授業,をめざそうとする教師の意識におけるパラダイム・シフトが必要なのではないでしょうか。今月の特集では,このように学習者の興味・関心を引き出し,学習者がみずからその学びに向かい,学んだ知識を関連づけ,深めていくことが喜びとなるような授業について,小学校から大学まで,それぞれの立場から探り, 「教える」ことを問い直したいと思います。巻頭論文ではみずから学び,成長する学習者へどう導くかを,論稿では教えることを見直す書籍から何を学ぶべきかを論じ,小中高大の実践論文では学習者の興味を引き出す実践を紹介します。
特集 | 「教える」ことを問い直す |
学習者の興味を引き出す授業とは |
巻頭論文
みずから学び,成長する学習者へ導くために
大西 里奈・町田 淳子
論稿
教えることを見直すために読んでみました
田中 渡・津田 ひろみ
論稿
生徒の実態を考えて柔軟に位置づけたい
池田 真澄
実践大学
主体的に学ぶ環境の構築
英語ライティングサポートプロジェクトの実践
福田 スティーブ利休・伊藤 雅徳・細貝 優佳
実践中学
ステップアップリーディング
全員が主体的に参加できる活動をめざして
大野 傑
実践小学校
自分から思考し,判断し,表現する児童たち
帯活動「What am I?ゲーム」をとおして
折橋 晃美
連載
●今月の詩/Readers’ Illustration
●Readers’ Square―読者の広場
●退職教員から ちょっと一言 その3
“Card Loan is ginko!"って英文と言える?
鈴木 奈尾子
●Essay ことば
英語との出会いとM先生のこと
伊藤 晃
●仲間とともに学びを深める
~協同(協働)学習のすすめ 第103回
海外の学生と共に学びを深める国際協働学習
ドイツと日本の先生をめざす学生の事例から
阿部 始子
●英語教育にマクロの視点を 第31回
インプット仮説の50年
白井 恭弘
●授業をおいしくするスマイル・レシピ 192
「俳句とHAIKU」
~身近で感じる「春夏秋冬」を日本語と英語で
表現してみました~
糸山 京子
CREATIVE TEACHING
小学校英語の創造的な扱い方
●NEW HORIZON Elementary 6
人権・平和の視点で外国語科の学習を!
Unit 7・8の「物語探検」を中心にした学習づくり
大田 貴之
CREATIVE TEACHING
中学教料書の創造的な扱い方
●1年 NEW HORIZON
ALTの友だちに地元ツアーを提案しよう!
~疑問詞を使って質問してみよう~
三瓶 理恵子
●2年 Here We Go!
物語を「深く」「楽しく」読む
小学校で読んだことのある「スーホの白い馬」を英語で読む
梅津 翼
●3年 NEW CROWN
教科書本文を活用した対話的な学び
長谷川 眞司
CREATIVE TEACHING
●高校英語の創造的な扱い方
「自分ごと」としての環境問題 身近なテーマと
ICTを活用した対話的アプローチの実践
奥田 紀子
●World Issuesを明日の授業に 第7回
平和教育を今こそ
サイバー空間はとめどがないが
淺川 和也
●もっと変わった言語学入門 第7回
認知言語学は英語教育にどう役立つか
大津 由紀雄
●学習英文法を問い直す―理論言語学的観点から 第7回
これで定まる不定詞の技!
「有効」な知識で納得の「1本!」に
大西 里奈
●入門期の英語指導を考える 第39回
想像力と五感で森の大切さを感じよう!
~仕掛けワークシートでワクワク森探検と森作り~
川島 章子
●授業に歌を 第245回
Chosen Family(選ばれた家族)
By Rina Sawayama & Elton John
性的少数者の人たちにささげる歌
根岸 恒雄
●Book Review
『新SDGs論―現状・歴史そして未来をとらえる』
『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?―認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策』
●支部・サークルの活動から/掲示板
●新英研の窓/編集後記
Explain? Demonstrate?
No, Inspire!