■ 大英研7月例会

2023年7月
'00年'01年'02年'03年'04年'08年'09年'10年'12年'17年'23年
7月

【大英研(大阪新英研) 7月例会報告】

 2023年7月22日(土)に吹田市立男女共同参画センターで7月例会を開催しました。学期末の慌ただしい中でしたが、学生・若手から中堅・ベテランまで参加者12名で、3本のレポート報告を聞いて議論を深め交流し、全国大会参加への意思統一をしました。会場が視聴覚室だったのでパワポやスライド、写真や映像などのICT機器も活用して深い学び合いができました。
窪崎まゆみさん(高槻北高校)
 「アウトプットの時間を確保するために、手放したもの」
英語を使えるようになりたいという生徒の希望アンケート結果に基づいて、先生が文法解説をする時間を最小限にして予習をさせ生徒たち同士が協同学習で教え合うスタイルにしました。さらに習得した文法事項をグループ発表やスピーキングテストでアウトプットする時間を増やして、満足度を高めるようにしました。そうすると雰囲気が良くなり楽しく取り組むようになり、文法の定着度も上がり定期テスト平均点が学年トップになりました。今後も深い会話や即興性をめざすなど、取り組みを進化させていきたいと考えています。

杉野聡子さん(吹田市立千里丘中学校)
 「中学校だからこその英語学習って何だろう〜新英研で学んだあれこれ〜」
これまで新英研に学んで多くの取り組みをしてきました。5年前、京都への校外学習に合わせて、絵本「The Peace Book」を読ませてピースメッセージをイラストも添えて書いてもらいました。班全員がそれを大きな台紙に貼って京都に持っていき、外国人旅行者に声をかけてメッセージを書き込んでもらいました。想定会話練習をし役割分担も考えて実行してみたところ多くのメッセージを得ることができ、生徒たちは「世界中の人が平和を考え、願っていることがわかりました」「折り鶴を渡したら喜んでくれてもっといろんな人と交流したいと思いました」などと書いてくれました。他にもスティーブ・ジョブズやマララさんのスピーチを見せて卒業前スピーチをさせてみたりして、中学校で仲間と学ぶ意義や仲間を深く知ることの大切さを感じさせる授業づくりを心がけてきました。今後もさらに集団づくりの取り組みを進めていきたいです。

谷浦健司(吹田高校・大阪大学)
 「現場主義で国際連帯や世界平和をめざす英語教育を伝える〜英語科教育法を教えて」
長年、高校現場で教えて、4月から兼職を認められ大阪大学でも48名の学生に英語科教育法を教えています。講義はパワポで現場の様子を交えて様々な理論や教材・指導法を紹介し、毎回グループで話し合わせ課題(宿題)を与えて添削してフィードバックしました。当初はわかりやすく教えるとか文法をしっかり教えるという答案ばかりでしたが、外国語教育・学校教育に求められているものを説明し視野を広く志を高くと強調するうちに、国際交流・連帯にチャレンジしたい、世界平和をめざしたいという答案が多く出てくるようになりました。素敵な意見をプリント印刷して紹介し、さらに意識を高めるように心がけました。学習指導案作成や模擬授業は6名×8班の協同学習でThe Story of Sadakoやキング牧師、ガンジー、チャップリンなどの良い教科書教材を深めて扱ってもらい、とても素晴らしい授業をしてくれました。

◯参加者の感想


  • いつも貴重な機会をいただきありがとうございます。新転地でまたチャレンジします!
  • どれも内容が具体的でとても参考になりました。
  • 生徒・学生一人ひとりにコメントを書いて返しているのが素晴らしいと思いました。生徒・学生は学び、励みになるだろうと感じます。
  • 今回お話を聞かせていただき、参考になる授業の工夫やこだわり、生徒の反応をたくさん吸収することができました。
  • 個人的に気づいたことは「生徒たちが授業をつくりあげる」ということを心がけるべきだということです。当たり前ではありますが、教える側が授業をしたという自己満足で終わるのではなく、計画や構成はこちらが作りその中で生徒が考えて動く思考を深める(自己主張を持つ)、そういったことができる生徒へと成長を促すことが人間としての成熟に繋がるのだと考えました。これこそ教える側が果たす責任であり、社会のためになると思い、自分が教育の現場でめざしたい目標となりました。
  • 三者三様で理論・実践ともに学ぶべきところがたくさんありました。また時間があるときに、続きをお願いします。
  • やはり対面形式はいいですね。場所を変えての懇親会も盛り上がってとても楽しかったです。

(文責・谷浦健司)

PAGE TOP

(2023年12月11日掲載)