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会員より~石巻の廃屋のメッセージ・女川の大川小学校など

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 12月1(土)~2日(日)にかけて石巻・女川を小平のあるボランティア団体と訪問してきました。
 そこで見つけたメッセージを紹介します。おそらくこのメッセージは、私がこれまでメディア報道で見た限りではありません。

1日午後
 現地ガイドが石巻の南浜のある廃屋につれて行きました。そこの玄関の柱や木の壁にいくつかの書かれた下記のようなメッセージに目を奪われたのです。あまりの衝撃にしばし立ち尽くしてしまいました。
  • お母さん、(また)会いたいよ 
  • お母さん、お父さんもう一度だけでいい、会いたいです。さびしいです。苦しいです。怖いです。
  • お父さん、いつも優しくしてくれてありがとう。お母さん、いつも見守ってくれてありがとう (K子)
  • 家族を守ってくれた頑丈な家、そしてお父さん、お母さんありがとう(M男)
  • 家を片付けてくださった皆様、本当に有難うございました。頑張ります。
 私は夢中でシャッターを切った後、「この家族は再会できたのだろうか、今生きているのだろうか」、と想像しました。

2日午前
 児童のおよそ7割が津波で亡くなった大川小学校へ。多数の花や果物が手向けられた慰霊碑の前で合掌。ガイドが説明してくれました。「今、保護者が学校・市教委を相手に訴訟を起こしている。―――当日なぜ安全な場所に避難誘導できなかったか。確かに裏山がある。しかし、そこはうっそうとした森で児童を駆け上がらせるにとても無理な傾斜。それより前に、校庭に児童を集合させて教師自身もパニック正常な判断ができない状態だったのではないか」。
 私は校庭にある崩れた壁画「未来を拓く」を見に行きました。そこには宮沢賢治のあのフレーズが――。
  • 「(雨)ニモマケズ、(風)ニモマケズ」。
  • 「世界が全体に幸福にならないうちは、個人の幸福はありえない・・・」。(平成十三年度 卒業制作)
 (雨)と(風)の漢字は欠けていました(おそらく地震か津波のせいで)…。
 私は「あの日児童は校庭でどんな思いだったのか、襲いかかった津波の濁流の中でなすすべがなかったのか、彼らの"未来"や"幸福"はこれからだったというのに」と胸を締め付けらました。

被災地のメッセージの英訳


 皆さん、この試験休み中または3学期の授業で子どもたちに訳させてみたり、世界の友人に発信するなどをやってみていただけませんか?
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3.11にさいなまれた子どもたちの叫び
2012年12月12日                (英訳)白梅学園大学・奈良 勝行

〇 石巻の廃屋に残されたメッセージ
  1. お母さん、(また)会いたいよ
    I want to see Mom (again)!
  2. お母さん、お父さんもう一度だけでいい、会いたいです。さびしいです。苦しいです。怖いです。
    Mom and Dad, I want to see you even just once! I feel lonely. I feel pain. I feel scared.
  3. お父さん、いつも優しくしてくれてありがとう。お母さん、いつも見守ってくれてありがとう (K子)
    Dad, thank you for being always kind to me! Mom, thank you for always keeping an eye on me!
  4. 家族を守ってくれた頑丈な家、そしてお父さん、お母さんありがとう(M男)
    I thank you, House for being so strong and protecting my family. Mom and Dad, thank you (for surviving).
  5. 家を片付けてくださった皆様、本当に有難うございました。 頑張ります。
    I really thank everyone who cleaned up my house. We will try to hang in there.

〇 生徒の7割が犠牲になった大川小学校の校庭にある壁画に書かれた卒業制作品。
  1. 雨ニモマケズ、風ニモマケズ (宮沢賢治)
    Strong in the wind, strong in the rain. (訳:Roger Pulvers, 米国出身劇作家・演出家)
  2. 世界が全体に幸福にならないうちは、個人の幸福はありえない (同上))
    Personal happiness cannot exist until the whole world is happy. (訳:同上)

〇 フクシマの小・中学生の叫び
  1. 友達に会ったり、外で遊べない、くやしい。
    We can't meet our friends, or play outside. What a pity!
  2. 思いっきり泣きたい、早く古里に帰りたい
    We want to have a good cry. We just want to go back to our hometown!
  3. 余震なんか、放射能なんか早くなくなれ!
    Aftershocks, radiation, away with them!
  4. どうせ、俺たちは放射能の「モルモット」なのさ!
    We are just guinea pigs for radiation, aren't we?
  5. 先生、何のために高校へ行くの? 勉強してどうするの?
    Teacher, what is the reason for entering high school? How come we have to study?
  6. ここにいたら子どもを産めないの?
    Can we have a baby if we continue to live here?

第18回「チーム小平」被災地(石巻・女川)訪問報告


(2012年12月16日掲載/12月19日更新)

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