■ 神奈川新英研4月例会
2015年4月
2015年4月18日(土) 横浜市技能文化会館 会議室701
●近況,最近取り組んでいること
- オーラルイントロダクション、文の精読
- grammatical songs作り、歌って覚える英文法♪
- (これから取り組みたいこと)各レッスンのトピックについて、グループか一人一人にプレゼンをさせる。そのために本文理解は予習をさせておきスムーズに進める。(プレゼンに必要なbrain stormingのsheetやフレーズは事前準備をしっかり)
- contextualized drill
- 今年山城に赴任し、飛び込みで2年を担当しています。とにもかくにも英語嫌いの生徒への意識改革が目下の課題です。
- 着任して1年目の職場で初めてdictoglossに挑戦する機会があるようです。
- Communication EnglishⅠでall Englishの授業に挑戦しています。
●授業でうまくいかないこと、悩んでいることなど
- 自分が説明する時間が長い、文法事項の説明
- speaking…定型文のやりとり(下線部を変えて)からの発展…small talkingへ できず
A What did you do yesterday?
B I made dinner with my mother. - 同僚性
- 授業規律の確立と自由で豊かな表現活動の共存
- 1年生の4月は教科書の内容よりも、辞書の引き方、授業のしつけ、中学と高校の違いなど、生徒に伝えることが多くて、時間が足りないこと。
- 3年生の受験の文法演習4単位の授業がとても苦痛です。演習の繰り返しになってしまっています。
●中学実践報告:「英語で授業を行って~1年の反省」
山口涼さん(平塚市立土沢中学校)
1. はじめに
- レポーターから:1年生の授業を英語で行い、通してきた中で得た成果と課題を発表します。3月時期の普段の授業を撮影しました。
- 学校の様子:土沢中学校は全校で123名(2014年度)という小規模な学校で、生徒は基本的に素朴で、穏やかな人柄の子が多い。
2. 授業
- 授業で心がけていること
- ①目標を定めること
- ②授業で何をするかが明確なこと
- ③基本的に、英語で行うこと(オーラルイントロダクションから文法理解へとつながる帰納的な指導)
- ビデオ視聴
授業日 3月8日 5時間目 1年A組
使用教科書 New Crown English 1
単元 Lesson 9
主な新出文法 一般不規則変化動詞過去形疑問文の導入
目標 過去形の文法を理解すること(本音は、教科書を効率よく終わらせること)
I ate chirashi-zushi yesterday. をキーとしてオーラルイントロダクションを起こし、クラス掲示の時間割からDid you study English yesterday?―Yes, I did./No, I didn't. につなぎ、What did you do yesterday? へと踏み込む手際よさだった。
その後、ワークシートに進み、一層の理解を図ろうとしていた。
3年生の授業では、1年生相手のように英語で授業を行うことが難しい部分もあったが、年間を通してオーラルイントロダクションは貫くことができたそうで、発表者の「英語の授業は英語で」に賭ける思いを感じた。 - 発表者からの問い
- ①授業は原則英語で行うと言いつつ…
- 会話能力は高校生でも英検3級以下。それなのに英会話をする機会を多くしろとは?
- 国大附属横浜の講演で「必要があれば日本語を」とのこと。必要とは何か?
- ②英語授業での英語使用は教員>生徒。教員の発話は適正な語彙レベルだったか? 理想はi+1だが…。
- ③オーラルイントロダクションでの生徒の発話は意味があったものか? Yes/Noに偏りすぎていないか。
- ①授業は原則英語で行うと言いつつ…
<参加者の感想>
- 生徒がよく反応していてすばらしい。オーラルイントロダクションから文法説明が始まっていてよかったと思います。
- 私も山口先生と同じく2年目です。(去年1年生を教えて、今年2年生…というのも一緒で)先生が、日々、あーでもない、こーでもない、と奮闘されている姿が授業の背景に感じられました。oral introduction in 100% English すばらしいです。クラス22人…少人数クラスでしょうか。少人数だからできること、など意識されてみられるといいのでは? と、普段は40人クラスを教えている私にはできないことを思いました。ありがとうございました!!
- 1年間の成果がとてもよく見える授業を見せていただき、ありがとうございました。最後にopen-endedな内容には生徒がくらいついてくるという話が出ておりましたが、情報のやり取りが発生することがコミュニケーションの基本で、それが通じることに生徒は興味を持つのではないかと思います。そのように情報のやりとりが発生する場面を、生徒同士のコミュニケーション活動などの形で、できるだけたくさんとり入れていかれるといいと思います。これからも益々の活躍を期待しています。
- 忙しい中、ご報告ありがとうございました。中学生には基本構文も教えられず(textにのってない)、なかなか彼らに英語で授業は難しいにもかかわらず、がんばってされているなと思いました。ただ、突然日本語になったので、その切り替えのタイミングがわかりませんでした。「普段よく行う動作が不規則V」であるというのは、最初に生徒に伝えたほうが、生徒は何に注目したらいいか分かると思います。
- とてもreactionの良い生徒たちで、energyもあり、コントロールが大変そうですね。全員で言う場面が多かったですが、個人で言わせてみてもよいかもしれないと思いました。
- 同じ平塚の中学校に勤める者として、共感する部分が多くありました。先生のスタンス、とても大切なことだと感じています。私もイントロでできるだけ英語onlyでやってみようと刺激を受けました。目標や手順をしっかり明示することはたいへんよいと思った。
- 1年目であの程度英語を使用して授業をされているところがすばらしいと思います。生徒の反応もよくインタラクションもよく取れていたと思います。もう少し生徒の英語の発話量(ペアワーク等)が多ければ、よりよいのではないでしょうか。
●高校実践報告:「新採用1年目を終えて」
宮内裕太さん(元石川高校)
1. はじめに
- レポーターから:一年生のCommunication EnglishⅠと英語表現Ⅰを2クラスずつ担当しました。全員が小学校で「英語活動」を経験しているのですが、中学校では「それが役立った」、「そうでもない」が半々で、基礎ができていないという印象が強かったです。動機づけの難しさ、持たせている様々な教材の取り上げ方、テスト問題の作り方など課題が沢山あります。PCを使っての単語練習、Oral Introduction、Reproductionなどを試みました。参加者の皆さんのご意見、助言をお願いします。
2. 報告
- 初任1年目を終えたフレッシュな報告でした。「英語は基本文法などは分かっていない。英語を書く、話すは苦手。小テストなどをやろうとすれば、勉強してくるし、ペア・グループワークはやらせれば、取り組む姿勢はある」高校生たちを対象に、「ストーリーを自分の英語で説明できる。生徒がストーリーを読んで、感じたことを話したり書いたりする。文法事項、大事な構文などを理解する」ことを目標に1年間、授業実践を進めてきましたが、教員が説明する時間が長くなってしまい、生徒に英語を話させる時間が確保できなかったり、ストーリーの内容を自分の表現で説明する目標を掲げて実践しても、教科書を暗記する生徒が多いなど、思うようにならないことが多かった1年間だったようです。
- 今後の課題として、「どうやって生徒の英語での活用を増やすか。文法項目や重要な文の構造などを効果的に説明できるか。標準英文法で、生徒の言語活動を増やすにはどうしたらよいか」の3点をあげられました。
- 若い先生方は部活動の指導に追われがちですが、その中でも時間を何とか捻出し、研究会などで学びながら一歩一歩課題を克服していってもらえればと思いました。現在、ベテランと呼ばれている先生方もそうして授業づくりを模索してきたと思うのです。若い先生方の研修と実践に今後も大いに期待したいと思います。
3. レポーターの感想
- いろいろ教えたいことがありすぎて、詰め込みすぎて要点がボケてきている。文法事項をオーラルイントロから始めていく!!
<参加者の感想>
- 生活指導で多忙の中、本当にお疲れ様です。
- 元石川の生徒の現状もよく分かって参考になりました。
- 結構長いパートの中で、ポイントを絞るのはなかなか難しいですが、関係副詞などの細かい使い方は、文法の授業にまかせて、長文はtransitionなどに注目して、長文の展開の仕方なども教えたりしたら生徒の読解力向上にもつながるのかなと思いました。
- 様々な実践の中から、生徒の英語力の向上につながる活動を見いだせると良いですね。 (自分もですが)1コマで、やりたいことを書き出して、所要時間を足していくと平気で50分越えてしまいます。なので、内容の取捨選択が大変ですが大事かなと思いました。
- Oral introductionを10分もされているところがすばらしいと思います。
- もう少し整理して、目標に向かってシンプルな指導案にすると、生徒も先生も混乱なく取り組めるのではないかと思います。がんばってください。
●日時: |
2015年4月18日(土) 午後3:30~7:00 3:20 ~ 受付開始 3:30 ~ 5:00 中学レポート [担当:関口] 5:00 ~ 5:15 休憩 5:15 ~ 6:45 高校レポート [担当:棚谷] 6:45 ~ 7:00 アンケート記入・事務連絡 |
●会場: |
大倉山記念館 第1集会室 (Tel. 045-544-1881) (東急東横線「大倉山」下車 徒歩5分 改札口を右に出て右折、急坂上る) より大きな地図で 大倉山記念館までのルート を表示
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●会場費: | 500円(支部会員200円 学生200円) [当日会員登録(年会費2000円)で割引適用] |
●中学実践報告: | 「英語で授業を行って~1年の反省」 山口 涼さん(平塚市立土沢中学校)
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●高校実践報告: |
「新採用1年目を終えて」 宮内裕太さん(元石川高校)
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●お問い合わせ: | 萩原一郎 |
★次回以降の例会予定:神奈川新英研HP
(2015年2月22日掲載/6月14日更新)