■ 群馬新英研8月例会
◆レポート1「ポートフォリオを用いて学習者の自律を促進する授業実践」
齋藤理一郎さん(太田フレックス高)
齋藤さんは昼間定時制1年生の「コミュ英語Ⅰ」で、教科書「All Abroad I」(東京書籍)に準拠したポートフォリオを使っている。その最初には中学校時代の英語学習への振り返りの項があり、生徒一人ひとりが自分の「わからなさ」の中身を確認し、齋藤さんもそれを個々に、具体的に把握でき、指導に役立てている。各Lessonの項では、教科書の内容に応じて学習内容のポイントや到達目標が細かく示され、生徒は授業の進行に沿って各項目の自己評価を記入していくようになっている。
自己紹介(英文つくりと皆の前で発表)のあと、英文(例:I live in Isesaki. I enjoy cycling. I love ramen. Who am I?)をプリントして名前当て。「am/is
/are」の「キャラ設定」と「擬人化」
等を通してbe動詞の使い分け。教科書の自己紹介Eメールを参考に「他者紹介」。授業参観に来てくれた教科書作者への「英文手紙」書き等で、齋藤さんと生徒たちの個性が絶妙にからんで楽しく学びを深めている授業であった。
◆新英研新潟大会アンコールレポート
◎その1「授業が分かるようになりました」
見城昌平さん(高校・定)
見城さんの授業は主に教科書を教材として進めている。流れについてこられない、文字を書くのが遅いなどの生徒が多いので、生徒がノートに書くべきことや設問は、基本的にすべてプリントにしておき、これに記入させながら進めている。
教科書の英文を一つ一つ、主語・述語動詞、修飾語句等に分けて理解させてから「全体の意味は?」と問いかける。並行して簡単な英文を書かせる。教材との関連で、漢字や地理、常識などの内容も少なからず入れている。得意技を活かしたビデオ・動画やカード類など駆使した「視覚化」の取り組みも学習効果を上げていた。
中学校では授業にまったくついていけなかったり不登校だったりした生徒たちが、自信と笑顔を取り戻し、教室の主役になっていく取り組みの報告であった。
◎その2「教材づくりのポント」
大浦暁生さん(元大学)
大浦さんは高校外国語科「コミュ英Ⅰ」の教科書編集(三友社出版から発行予定)に携わっていて、群馬支部が講読している「The Freedom Writers Diary」の中の日記を教科書教材へと作り上げていく過程を、原文と教材英文を対比しながら報告した。
外国語としての英語学習の手順を「読むこと→書くこと→話すこと→聴くこと」。そして「読むこと」の通常の手順を「教材の作成・選定→文法の修得→一次的な読み取り→二次的な読み取り→声に出して音読→原文の翻訳」と位置づけている。
「読み取り教材」の基本的な考え方として、「教材とは、教師と生徒がともに学習して人間的成長を期する授業の場で、決定的に重要なもの。教師がぜひ使いたいという情熱を持つと同時に、生徒にも新しい発見と読んだ喜びがある教材を選びたい。そのような教材には、英文の内容や言語表現にかかわる「真実性」と生徒の学力や生活に応じた「適合性」がある」。
また、音声中心のコミュニケーション活動を過度に重視する傾向に警鐘を鳴らし、文字で定着させ日本語を活用して、豊かな読みの学習から入りたい、と提起された。
日時: | 2015年8月23日(日)14:00 ~ 17:00 |
場所: |
前橋プラザ元気21 5階・511学習室 (部屋の呼称が4月から変更になりました。→平面図) 前橋市本町2-12-1 Tel 027-210-2199「中央公民館(前橋プラザ元気21内)」 別のウインドウを開き、より大きな地図で 前橋プラザ元気21を表示
※JR前橋駅から徒歩10分/中央前橋駅から徒歩5分
※北側の道路を挟んですぐ向かいの立体駐車場の他、指定の駐車場があり、参加者は無料で利用できます。(上の地図の緑色の箇所) ただし、北隣の立体駐車場は混雑する可能性があり、入るのに時間がかかる場合があります。
※駐車場空き情報(右のQRコード) |
内容: |
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参加費: | 会員=無料 未会員=資料代 300円 |
連絡・ 問合せ先: |
加藤彰男 見城昌平 |
(2015年6月6日掲載/9月28日更新)