■ 東京新英研春の特別研究会

2007年2月
<< '03年'04年'05年'06年'07年'08年'09年'10年'11年'12年 >>
2月3月4月5月6月11月12月
 2月17日土曜日、3時から6時まで、中野三中にて小部 修さんを大阪より招いて、2月例会を行った。参加者は、31名。
 岩崎さん、福島さんの司会の下、今月の歌の紹介(荒木さん)、「新英語教育」の学習(福島さん)の後、いよいよ小部さんが登場。講演タイトルは「教師って楽しいぞ~子ども・親・仲間と創る学校・教育~」。

講演「教師って楽しいぞ~子ども・親・仲間と創る学校・教育~」

 いつもギャグと関西弁のユーモアあふれる喋りに「煙に巻かれてしまうので、今日こそは小部さんの実践のポイントをつかみたい!」(安野さん)と勢いこんで、駆けつけた参加者の面々であったが、またまた小部流の肩の力の抜けたおしゃべりと子どもたちとの爆笑ストーリーに耳を傾け、おなかの底から大笑いし、サックスに聞きほれているうちに、あっという間に3時間がすぎ、笑いすぎて何を聞いたのか忘れてしまった、という声もあった(笑)

 だが、今回は少しいつもとは違った。いつものように多彩で楽しくアクティブな小部さんの姿に圧倒され、こちらまで元気をもらったのはもちろんだが、今回は、小部実践の根底にある生徒たちへの願いと教育方針=「自立」が参加者の心をとらえた。

 小部さんの最終研究授業である、小先生がリードするアメリカ公民権運動の「バス・ボイコット事件」のロールプレイの授業やつづく生徒たちのI Have A Dream の自己表現活動とコレッタ夫人とのやりとりはこれまでにも報告されているが、今回は野球部、バスケット部の指導や、いじめに立ち向かう学級指導、そして生徒会指導や職場作りの具体的な実践の一端が紹介された。一人も退部者をださなかった部活動の指導、不登校やいじめられる生徒に対して、クラスみんなで話し合い、いじめを考えるクリスマス会を行ったり、みんなのこととして考えあう風土を育てる一方で、いじめられる本人自らが解決できる力をつけることをめざしたこと、そして、文化祭などの学校行事でも「生徒に思いきって任せる」、しかし徹底して、話し合いをさせ、その中で生徒に責任を持たせ、自立を促していくありかたは、どの場面でも共通していた。

 最後に田中安行さんとのコラボレーションで、YOUTH(Samuel Ullman)の詩を全員で音読し、「涙そうそう」「千の風になって」などのサックス演奏を堪能し、土曜の午後の豊かな時間がおひらきとなった。

 「教師って楽しいぞ」というメッセージは、「生きるっておもろいぞ」というメッセージにも聞こえた。「良い先生」ではなく、「自分の道をいきいきと歩く人」へ。明日をいきる大きなプレゼントをもらった例会であった。3月も多くの仲間とこのテーマを語り合っていきたい。

☆<参加者の感想から>

  • 小部先生のお人柄にすっかり魅せられた3時間でした。神奈川県三浦から小部先生に会いに参りました。一期一会のご縁を感じています。今日はどうもありがとうございました。 (神奈川からNさん)
  • 誘われて久しぶりに例会に出ました。小部先生のおしゃべり、お話、演奏に引き込まれました。小部先生の生き方はすごいな、と思うばかりですが、よく考えたら、あたり前のことなのかな、と思いました。楽しんで、そのときそのときを一生懸命に生きているんですね。だから魅力的なのだと思います。教師生活もいつまで続けられるかと思っているこの頃ですが小部先生を見習えたらいいなと思った一日でした。(ベテランのTさん)
  • 常に聞いている人の笑いを引き出す小部先生の話術に引き込まれました。小部先生は資料の中で、めざす教師像を5つ挙げていましたが、その中の1つに「むずかしいことをやさしく説明できる人」というのが心に残りました。自分がまず楽しいと思うような雰囲気を作り出し、生徒の気持ちを大切にする姿を私も見習っていきたいです。魂の入った授業、ぜひ実践していきたいです。(1年目のIさん)
  • 小部先生の教育理念は「自立」だった。「自分のことは自分で解決する」ことだという。
    新年の関東ブロック集会できくちゆみさんお勧めのK9mpシリーズの1冊「勇気の源はなんですか」(伊藤千尋氏ほか著)の南米コスタリカの教育が同じ教育理念です。(P.34)「この学校を卒業したその翌日から生徒が自立できること、自立するには闘わなきゃいけない、闘うためにはその元になることを教えなきゃいけない。それが憲法だ」 日本は素晴らしい平和憲法9条を持っていることをもう一度学校で語る一人になれたらと思う。小部先生は民主主義と平和の象徴なんですね。楽しかったです。本当にありがとうございました。(長野・Kさん)

(連絡先:安野寿美)
(2007年5月25日)