1.関東ブロック研究集会のワークショップから―小美濃博さん、指田徹さん
2."Grandfather's Clock" の作者と作曲の背景―田中 安行さん
(A)小美濃博さん
萩原さんは昨年度から転任した学校で今までにない困難な状況に直面した。マンガ、ウォークマン、居眠り、携帯メール、教科書を持ってこない、出さない.....はむろん、教室に入らない、注意はほとんど無視、鏡を出して化粧にふける、列を超えた私語、立ち歩き、授業中の飲食、暴言などなど。それまでの自分の授業方法を徹底的に見直して、生徒の実態に合ったものに変える工夫をした。
その経験からワークショップでいくつかの「技」が披露された。小美濃さんはその中から「英語置換音読練習」(英文をチャンク毎に日本語と英語まじりの文に書き換えたプリントを持たせて、ペアでお互いになるべく早く、英語に置き換えて言わせる練習)、「チャンクシート」(左側に日本語訳、右側にチャンク毎の英語を書いたシートを縦半分に折って持たせて、ペアでお互いになるべく早く日、英のどちらかを言わせる)、「単語カード」(縦横40X15cm)のカードに裏表に日英の単語を書き、フラッシュカードとして全員に見せながら言わせる)を紹介した。
いずれもキッチンタイマーを持って、1分30秒などの制限タイムを決めて、ゲーム感覚でやらせるとどの生徒も緊張感を持って楽しみながら参加するようになったという。困難な状況を乗り越えるために考え出した「技」と教師の愛情によって生徒たちが生き生きとしてくる様子がよく伝わってきた。
(B)指田徹さん
評価をめぐって今年度ほど、全国の公立中学校が苦しめられたことはなかった。その中で早くから評価問題に力を注いできた荒木さんの実践は真の評価とはどうあるべきかを教えてくれた。そして真の評価を妨げている今の教育政策の管理主義と権威主義に対する怒りをも感じさせられざるを得ない。
授業で何を学び、何を身につけていくかが分かりやすく提示されて、楽しみながらしかも深く理解して身に付いていくような教材と方法が2人に実践では詳しく示されいたのが印象的であった。これは萩原さんの実践とも通い合うものがある。
(C)田中 安行さん
授業でも単に歌を歌うだけでなく、こういう背景を知って歌えば、生徒の理解も受け止め方もとても深いものになるだろう。
(文責:田中安行)
(連絡先:加藤千泉)
(2003年7月13日)