■ 東京新英研4月例会 報告
2002年4月
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2月3月4月
 新学習指導要領が始まって、息つく暇もなく、まるで「面かぶりクロール」で泳ぎ切ったような3週間が過ぎた4月27日(土)、東京新英研2002年度4月例会があった。  田中渡先生(埼玉県立鴻巣女子高)に、平和教育、自己表現、教材論について語っていただいた。子どもの心も私たちの心もとらえて離さない田中実践の大きな魅力で、ようやく一息つけた感じ。参加者13人。

1.平和教育

  1. 英語科通信かわらばんに、大人(毎日新聞)と子ども(ズームイン朝)のアメリカの軍事行動を支持するかしないかの調査〜大人は支持するが52%、子どもは10%〜、戦争体験者の手記(石炭を中国から盗んでもうけている企業が、これを政府に売って大もうけ。これを盗むために日本兵は狙撃されて死んでいる)、アレンネルソンさんの戦争論、生体実験の状況などをのせる。
  2. フォーマットを与え、書かせ、発表会。
  3. ブッシュ大統領の住所を教え、自分が出したければ出す。

2.自己表現

1.video doramaづくり:
『だからあなたも生きぬいて』 を英訳して先生と女子生徒1名、ALTで演じ、ビデオにとって見せた。このビデオのように、ドラマを作らせると、普段はとても困難なクラスが喜んで取り組み、一番おもしろいドラマを作った。友達の作ったものを非常に熱心にみた。
2.5センテンス自己表現:
新聞と同じように、Topic Sentence1文, Supportoting Sentence3文, Conclusion/Comment1〜2文。添削して返す。 よく書けたものは、教科通信にのせる。授業で配って、読み聞かせる。
3.リレーノート:
生活体験型、ニュース解説型とふたつのフォーマットを示した。班毎に1冊、3〜4人のグループ、好きなもの同士。2週間に1回提出、1周りすればよいと言う。『縦切り型英語学習』八木盛栄(教育出版)というテキストで、英語を書くコツを最初に授業する。添削をし、多い間違いを、教科通信にのせる。
4.3分間チャット:
月曜日1時間目の女子クラスがとても騒がしかった。そこでどうせしゃべるなら、土日にあったことを英語でしゃべるなら解禁とした。テーマは毎回変える。(例)先生がI went shopping last Sunday. What did you do?とはじめる。3分間友だちとチャットして、3分間でまとめる。次の3分間で、先生がまとめる。
5.恋の1行詩:
恋愛の心理学を解説した本から、ロミオとジュリエット効果など、恋愛の効果について触れる。高校生の欲求に答える内容。"I miss you"(恋の1行詩、全国の投稿からなる本)の中で、自分がいいと思った作品を紹介し、その作品を現在進行形型、片思い型などに類型化。 自分は片思い型+回想型と言って、先生の体験(実話)を詩にした。ペンネームを使うなどフォーマットを示した後、2月14日に作品提出。クラスで先生が代読すると、興奮のるつぼだった。よかった作品を投票させ、投稿。当選して、インターネットにのった。
「理知的に生徒を乗せて、非常に感性を豊にさせている」(参加者感想)田中実践に、参加者も大いに暖かくなった。

(文責:平野)
(2002年5月6日)