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新英語教育研究会は1959年の誕生以来、「すべての子どもたちに外国語を学ぶ喜びを」というメインテーマを実現するために、楽しくよくわかる授業をどう創るか、技能だけでなく人格形成に寄与できる外国語教育をどう実現するか、を中心課題として実践研究をすすめてまいりました。また、世界中の人々が戦争のない平和な暮らしを実現する上で、人と人とが理解しあうための外国語教育はいったい何ができるのかを考え実践しつづけてきました。
私たちの研究の方向はユネスコ・IBE勧告(1965)の次の表現ともぴったり一致しています。「現代の外国語教育はそれ自体が目的ではなく、その文化的人間的側面から子どもたちの心と人格を育てるのに貢献すべきです。また国際理解と諸国民間の友好的平和的な協力関係を確立するのに貢献すべきです。」多くの中学・高校生の胸が世界で起こっている悲惨な争いにかきむしられている今、その課題はさらに重みを増しています。
私の勤める工業高校の1・2年の英語の授業は毎時間歌で始まります。新年になって坂本龍一の地雷撲滅キャンペーン・ソング"ZERO
LANDMINE"をとりあげました。多くのアーティストが協力して作ったこの歌はどのクラスでも歓迎されています。歌詞の一節に"(A
strong wind) stole tomorrow"とあります。生徒は美しいメロディに反応するだけでなく、「明日が奪われることのない」平和な世界を求めているように思います。
九州での全国大会は、'77年別府、'88年沖縄、'92年長崎に引き続き、12年ぶり4回目となります。記念講演にはパキスタン・アフガニスタンで年間15万人の患者診察を行っているペシャワール会代表の中村哲さんをお迎えすることになりました。大会では、世界のこと、日本のこと、学校でのこと、英語の教室でのこと等々、多面的な話し合いがなされます。多くの皆さんにご参加いただき、大会を実り豊かなものにしていただきますようお願い申し上げます。 |