■ 関西ブロック研究集会

2007年

2007年 関西ブロック研究集会


1 記念講演


「英語教育はどうなるか-小学校から大学までを見通して-」

瀧口優(新英研副会長・白梅学園短期大学)
 4つの「特区」に見る小学校英語の状況を聞きました。成功している長野県下諏訪町と失敗している東京都荒川区の実態をきき、その違いを比べて大変興味深く感じました。
教育基本法の改悪案が成立しましたが、現場の実践がどのような観点ですすめられるか、一人一人の子どもの人格形成か、トップダウンですすめられる意味のない実践かを毎日意識して取り組みことが大切だと思いました。下諏訪町の取り組みに学ぶところが多くありました。

2 レポート報告


(1)「ケニアのねがい」

長田寿和子(神戸市立湊中学校)
 報告の中心は、生徒に英語の絵本 " Kenyan Wish " を作成させて、ケニアに送り、子どもたちと文通させた取り組みでした。英文もしっかりと書かれており、絵もきれいで立派な絵本になっていました。感銘を受けたのは、実践を通じて人と人の輪が、教室の中で、また日本とケニア、外国の人々と広がっていることです。広島市の中学生の作った平和への「ねがい」の歌を世界に広める活動を通して知り合ったケニアの方に学校で講演してもらったり、実際ケニアに行って交流してきたことをビデオに撮ってそれで生徒たちに教えていたことで、さらに教材がすぐれたものになったと思います。

(2)「高等部養護学校における英語教育-授業が成立するわけ」

木谷能子(京都市立白河総合養護学校高等部)
 勤務校は軽度発達障害をもつ子どもが通う養護学校高等部。全員が企業就労を目指す「職業科」での英語授業の雰囲気を再現してもらった。「英語は使ってなんぼやで!」の精神で、「異文化理解」を通して「話す楽しさ」を体感させ、「自己アピール」させることで社会・職場での「自信」陶冶にもつなげよう、と奮闘する姿が躍動していた。
実習で授業を抜ける生徒の「不安」を緩和する方策なども紹介されて、多くのことを学びました。

(3)「夢を宇宙に!-宇宙飛行士と英語で交信した中学生」

別府邦子(池田市立細河中学校、International friends 主宰)
 地球の約400km上空を90分程で一周する国際宇宙ステーションのNASAの宇宙飛行士と池田の細河中の生徒12名がアマチュア無線で英語で交信した報告。別府さんは通訳で参加。生徒たちには大きな体験となった。

(4)「力がつく英語授業をめざして-ビンゴ、視写その他」

福田香里(大津市立皇子山中学校)
 週3時間という制約の中で生徒を英語好きにさせ、英語の力をつける取り組み。名簿で少人数に分けきめ細かい指導を行っている。ノート点検もスムーズに行き、生徒の発表も気軽にできる雰囲気を作っている。英単語の学習はビンゴ形式で行い、正解者にはシールをプレゼント。楽しい授業。
 さらに英文をノートに速く写す作業的なものも取り入れ、しっかり学力の定着をはかる。英語の歌は得意技で、授業のはじめにいつも聞かせ、雰囲気作りに大いに貢献。
みんなが楽しく授業に参加できるよう、また、学校外にも目を向けて世の中を変えようとする努力の必要さを力説された報告でした。

3 文化行事

 一日目の夜には、今年はゆっくりと文化行事を楽しみました。

(1)英語落語「ワンダフル・ジャパン」

 旅人亭えいじ(桃山学院高校・田中栄司)さんに、おなじみの演目を演じてもらいました。めずらしく本人はちょっと緊張気味でしたが、そこは手慣れたもので大いに笑わせてくれました。

(2)「ミニコンサート」

 高橋さん(大阪)のアコーディオン、劉さん(大阪)野崎さん(滋賀)のギターそして最後は小部さんのサックス演奏ともりだくさんの演奏を、全国大会の全体会がおこなわれるステージで楽しみました。野崎さんの伴奏で瀧口さんの「見上げてごらん夜の星を」のソロの飛び入りもあり、大いに盛り上がりました。飲み物を飲みながらのミニコンサート、ちょっとしたディナーショーでした。

日 時: 2007年1月6日(土)13時〜7日(日)12時
会 場:
ホテルセイリュウ
東大阪市上石切町1-11-12 電話072-981-5001
[近鉄奈良線「石切」の「南口」(難波の方)から南方向に徒歩5分]
内 容:
(1)記念講演
「英語教育はどうなるか-小学校から大学までを見通して」
  瀧口優(白梅学園短大)
(2) 関西ブロック各県の中高からの実践報告
 
(3) その他
費 用: 1泊2食11,000円(税別)、
参加費3,000円、1日のみは2,000円
連絡先: 長谷川和久