■ 九州ブロック集会

2004年4月

2004年 九州ブロック春の合宿研


 新英研の九ブロは4月24日、25日、全国大会のプレ大会として、福岡の筑後川のほとり、緑豊かな原鶴温泉のパーレンス・小野屋で開かれました。参加者は24名でした。
 白水実行委員長の挨拶に始まり高柳(長崎)、上田(熊本)のお二人の司会で簡単な自己紹介をし、和やかに始まりました。新年度でPTA総会や歓迎遠足等と重なり参加者数は今、ひとつでしたが、じっくりレポート分析が出来、充実した会となりました。 

 一日目のレポートは、
①「子供達に感謝!! 〜Stold人that の英作文を作ろう〜](熊本県:竹村夏美)
②「中学校一年生における単語指導の工夫」(大分県:羽野祐司)
③「英語通信『ロマン』と1学年通信『「希望』」(熊本県:冨田憲一郎)
④「高等学校における多読活動の効果」(福岡県:宇佐成美)

二日目は、
⑤「響き合いのある授業を求めて」(長崎県:緒方智子)
⑥「みんなとだからできること、しなきゃいけないこと〜人権・平和・環境に視点をあてた授業つくり〜」(福岡県:井塚康博)
⑦「ハイク・コンテストにチャレンジ!」(福岡県:白水堅慈)
⑧「授業開きのワークシート」(熊本県:牧野美和子)
の8本でした。


一日目

①に関してはレポーターが純粋な気持ちで使用したということは理解出来るけれ ど、「水からの伝言」の内容が非科学的であり、問題が大きいという意見が多く出さ れました。教師は言葉の持つ力について生徒に認識させるべきではあるけれど、使用 する教材、紹介する書籍についても、きちんと責任の持てるものを利用しなければ、 せっかくの実践がかえって危ないものになってしまうという指摘でした。
 また、自己表現させる前に、何か暖かい話をするとか、例文そのものの与え方に 工夫をしてはどうか、例えば例文には he, she等という漠然とした代名詞を使ったも のではなく、家族や友達に伝えたい事 として具体的なイメージで書かせるようにし たら等のアドバイスが出ました。

②では町の小学校を卒業する時にプレゼントされる英語の辞書を使って教科書以外の単語も含めて毎時間5分間、辞書引きを指導するうちに皆、かなり早く辞書がひけるようになったことや文章中での単語テスト、単語カルタの作成など生徒が生き生きと学ぶ様子が報告されました。ここで単語だけでなく語順の重要性についても話が及び、現在の会話中心の中学校教科書の使いにくさの中で文型や動詞、名詞という品詞の区別をしっかり身に着けさせることも大切だろうと話し合いました。更にフォニックス以前にローマ字の学習も重要ではないか、特にヘボン式こだわるのでなく、訓令式の方が韓国語を学習するとき等とても役に立つのだという意見も出てローマ字への理解も深まりました。

③の「英語通信」は大変内容が濃く「協同、平和」等について冨田先生の思いが生徒たちに良く伝わるものとなっていました。そして中学校における教科書の種類と採択についても私達は関心を持ち、もっとしっかり注文をつけ、より良いもにのしていきたいものだという話が出ました。

 この後,福岡の藤原さんの指導で、大会歌「HEIWAの風」を日本語、英語で練習しました。全国大会当日は合唱団の方がステージで歌われますが、地元でも覚えられたら一緒に歌おうということになっています。 HEIWAの風 で歌もカラオケバージョンもアップしてあるので各県で練習に取り組んでみられてはいかがでしょうか。

 その後、④のレポートを参加が出来なかった宇佐先生の替わりに藤原さんが報告。家庭学習による多読用に英字新聞やインターネットから精力的に準備された質の高い英文が参加者をうならせましたし、最後の検証で、この活動に参加した生徒が不参加者と比べて読みのスピードが早くなっていた点も印象に残りました。

二日目

 二日目は全国大会でもお願いしてある「願児我楽夢」のCDを聞いてから⑤の緒方先生の退職記念レポートに入りました。
 緒方先生の学校で2月に研究会が行われ、ちょうど授業がビデオに撮ってあり、それを見ながらの報告となりました。「響き合いのある授業を求めて」とタイトルにあるように、チャイムが鳴ると同時に生徒達が前に出て、曜日や忘れ物の確認をし、Day to Day Conversation等、大変活発に取り組んでいる様子がわかりました。先生は教師になってすぐの生徒の「何で英語を学ばなければならないのか?」という素朴な質問にきちんと向き合ってこの38年間の実践を積んでこられたのだと強く感じました。

は学校全体として人権・平和教育に取り組んでいる中、「修学旅行でのピース・メッセージの交換」をし、更に教科書の「Landmines and Children」でカンボジアでの地雷の被害の様子や寺子屋活動などに取り組んでいる栗本英世さんについて学習。その感想やThere're many ways to work for Peace. として「平和の為に出来ること」を生徒に書かせた実践。
 全国的に「平和教育」への風当たりが強くなっており、圧力もかかる中、UNICEFやJAICA等、政府が公認している団体の活動には限界があるのも事実である。だから小学校、中学校そして高校で我々は何を教えるべきかよく考えたいものだという意見がでました。

はミニレポートとして報告があり、再度「HEIWAの風」、そしてWe Shall Overcomeを歌い、全国大会で会おうと約束し、閉会しました。

(連絡先:畠田ミツ子)
(2004年11月21日)