■ 九州ブロック集会

2001年

2001年 九州ブロック集会(第46回九州民教研宮崎<青島>集会)


 九州民教連集会は2001年12月26日、27日、宮崎の武道館で行われた。講師は尾木直樹氏で560名の参加であった。

外国語分科会

 外国語分科会は青島パームビーチホテルというきれいな海の見える部屋で20名の参加であった。自己紹介の中で宮崎からは、当初0という予想に反して、お父さんに勧められたという若い女性の参加がひとりだけでもあり、良かった。
 また、小学校の国際理解=英語という図式に割り切れない思いをしている小学校教師の発言で「そう、そう。」とみんな頷く。
 「その前にやらねばならぬことがある。やって欲しいことがある。」というところで一致。英語がしゃべれることより言葉の感覚や人間としての基本的な感性をこそ、身につけさせたいもの。
 今年も、いわゆる他の教科と掛け持ちで「分科会の浮気」が出来る九民研の良さが十分発揮された会でもあった。

レポート

 レポートは
  1. 「私のとっておきの教材」 長崎工業高校 遠山博文
  2. 「英語を身につけさせるために一体何ができるのでしょう?・・生徒の共通の誤りから見えたこととその解決のための試み・・」久留米市立南筑高校 藤原冨枝
  3. 「機械的学力と人間的学力について考える」北九州市小倉南中学校 富崎千賀 
  4. 「考えるオーラルAの授業を求めて」熊本県湧心館高校 畠田 ミツ子 
  5. 「Zero Landmineから平和メッセージへ」長崎南商業高校 鈴木奈緒子 
  6. 「心かよわす教科通信」熊本県球磨郡錦中学校 冨田健一郎 
  7. 「養護学校だよりPart 3」大分県別府養護学校 南 文隆 
  8. 「郷土より世界へ」S・T・E・Pで行う「総合的な学習の時間」
の8本で、英語の教師だけでなく小学校教師、日本語教師を目指す人、難聴学級担当者など、いろんな参加者があり、外国語教育の目的や大切さを深く討議し、確認出来た分科会だったと思う。
 遠山さんは今年退職で、全国教研のレポートを持参。内容はお正月にまつわる十二支、七福神などの説明、校内バレンタイン作戦、ケーキが10人に当たるクイズ等、生徒が必ずのってくる記事など参考になることがたくさんあった。
 藤原さんは生徒の文法上のつまずきを良く把握し、それに対する丁寧でリズミカルな指導が想像できるレポートだった。
 富崎さんは新英研の全国大会で講師の阿原先生に刺激を受けたそうで、ペアワークや試験勉強の手引きを作成し生徒の基礎力を高める一方、Zero Landmineやユネスコの学習権(The right to learn)を取り上げ、感性を育てる実践もしたという報告。
 畠田は週2時間のオーラルの授業で歌一つにしても出来るだけ考える教材を提供したいという願いを話した。
 鈴木さんは絵本「地雷ではなく花をください」や坂本龍一のCDやテレビ番組等を学習した後、同時多発テロもあり結局、アメリカの大統領へ平和メッセージを出したり、カンボジアの子どもたちへクリスマスカードを送ったという実践。生徒たちはビデオの終わりには一緒に歌を歌ったり、立ちあがって画面にむかって叫んだりするほど熱中していたという報告に参加者は胸を打たれた。
 冨田さんの教科通信は毎年100号を越え、常に生徒に愛のメッセージを送り続け、自己表現を返していく感動的な実践。
 南さんは養護学校高等部勤務4年めで英語の授業は(1)暗唱(2)歌(3)テキストの3チャンネルで実施。教材としてWe Can Stand やLena Maria、木村浩子さん星野富弘さん河野陽子さんなどを取り上げている。三友社のEnglish for Tomorrowから感動的な詩や平和教材を使い、生徒に自己表現をさせているとのこと。
 最後に福岡の白水さんが新英研の素晴らしさやメーリングリストでの実践の広がりを話して頂き、皆でWe Shall Overcome を歌って閉会した。

 春の九ブロは5月11日・12日。鹿児島の白坂さんが中心となり各県がそれをサポートしていくように決まった。

(文責:熊本県 畠田ミツ子)
(2002年1月16日・2月14日更新)

日 時: 2001年12月26日(水)10時開会〜27日(木)
場 所: 青島パームビーチ・ホテル
テーマ: 「子どもたちに やさしさと かしこさと たくましさを」
日 程: 記念講演
  • 尾木直樹氏(教育評論家)
    「子どもの危機と教育再生の道」
サブ講演
  • 税田啓一郎(「平和の塔」の史実を考える会)
    「平和の塔の真実」
分科会
  • 教科、領域毎の33の分科会
  • 外国語分科会には各県からの実践報告